囚人のジレンマ:個人の最適解と全体の最適解は異なる?(知的な小話4)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

囚人のジレンマとは

囚人のジレンマとは、ゲーム理論における実験の1つです。

個人としての最適な行動が、全体としての最適な行動とは限らないことを示します


2人組で犯罪を行った囚人を自白させるために検事は次のような司法取引を持ちかけます。

①2人ともが黙秘をすれば2人とも懲役2年
②1人が自白をし、1人が黙秘をしたら、自白した方は無罪、黙秘した方は懲役10年
③2人とも自白をすれば2人とも懲役5年
④2人の囚人は相談することはできない


この時、各囚人の行動と結果は、以下の表の通りとなります。

囚人のジレンマの表

囚人Aの立場で考えると、囚人Bが黙秘をした場合に、囚人Aは黙秘をすると懲役2年となり、自白をすると懲役0年となります。

また、囚人Bが自白をした場合に、囚人Aは黙秘をすると懲役10年となり、自白をすると懲役5年となります。

囚人Bの立場で考えた場合も同様です。


よって、どちらの囚人にとっても、もう一方の囚人が「黙秘」と「自白」のどちらの選択をしたとしても、「自白」を選択しておいた方が得をすることになります。

そのため、個人としての最適な戦略は「自白」ということになります。

その結果、2人ともが「黙秘」をし、懲役2年を受けるという選択肢があるにも関わらず、2人ともが「自白」をして、懲役5年の刑を受けることになるのです。

合成の誤謬とは

囚人のジレンマは、各個人が最適な行動としても、全体にとっては望ましい結果につながらないことを示しています。

上記の例では、囚人Aも囚人Bも、自分にとって最も合理的な行動をしていますが、全体としては、望ましくない結果に繋がっています。

これを経済学の用語で「合成の誤謬(ごびゅう)」と呼んでいます


合成の誤謬は、日常生活の様々な場面で起こっています。

以下はその例の一部です。

国民全員が貯金をすることで、国全体の経済が停滞する
→ 景気が悪い時には、個人としては将来のためにお金を貯めるべきですが、国としては、どんどんお金を使って景気を回復させることが最適です。

災害時に皆が食料を買占め、必要な食料が枯渇する
→ 災害時には、個人としてはいつ無くなるかわからない食料を、できるだけ多く確保することが大事ですが、全体としては、必要な人に必要な分だけ食料を配分することが最適です。

麻雀にて、親リーチに全員がベタオリしてツモで和了られる
→ (麻雀をする人にしかわかりませんが) 個人としては、親のリーチに振り込むのを避けるためにベタオリすべきですが、結果として、ツモで和了されてしまい、皆で高い点数を払うことになりやすいです。

日常会話での使用方法

「あそこにあった2つの百貨店、値下げ競争の末に両方潰れたらしいぜ」

「まさに囚人のジレンマだな」

2 Replies to “囚人のジレンマ:個人の最適解と全体の最適解は異なる?(知的な小話4)”

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