無限のサル定理:チンパンジーがノーベル文学賞ってホント?(知的な小話5)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。 

無限のサル定理とは

無限のサル定理とは、無限に近い時間や数を想定すればどんなことも実現可能になるという理論です

「無数のサルがタイプライターの鍵盤を無限の時間、ランダムに叩きつづければ、理論上シェイクスピアの作品を書くことも可能である」との想定から、このように呼ばれています。


無限のサルが鍵盤を叩くと、それぞれのサルはそれぞれのでたらめな文字列を書きます。

ほとんどのサルは何の意味も持たない文字列を書くだけですが、無限匹いれば、以下のように、偶然意味を持つ文字列を生み出すサルもいるはずです。

サル1匹目 → 「AAA・・・」
サル2匹目 → 「AAB・・・」
サル3匹目 → 「AAC・・・」
サル4匹目 → 「AAD・・・」
サル5匹目 → 「AAE・・・」
・・・
サル∞匹目 → 「Thunder and lightning. Enter three Witches・・・」
(シェイクスピア:マクベス第一幕)


無限のサルと生命の誕生

サルが英文学の名著を書き上げることに成功したように、無限に近い時間や数があれば、奇跡のように低い確率でも、起き得ることを示しています


例えば、この世界に最初の生命が誕生する確率は非常に低く、「25メートルのプールに時計をバラバラにして投げ入れて、水の流れだけで、時計がもう一度組み立てられる確率と同じ」と良く例えられます。

地球に生命が誕生したのは奇跡だと言う人もいますが、この無限のサル定理を考えると、実は奇跡ではなく必然なのかもしれません。

我々の生きる宇宙は、138億年前に誕生したとされており、大量の惑星を含む銀河の数は2兆個以上あるという説もあります。

このような無限に近い時間と数があれば(138億年の時間をかけて兆単位数のプールで時計の部品をかき混ぜ続ければ)、とんでもなく低い確率である生命の誕生が地球で発生しても不思議ではありません

我々が会える距離にいるかは別として、他の銀河の中の惑星に知的生命体が存在しても何ら不思議ではないと思います。


ちなみに、実際に2003年にサル6匹を使って、タイプライターを打たせる実験を行ったそうですが、このサルたちが書き上げた文章は、5ページに渡る、ほとんど「S」の字の文字列だったそうです。

日常会話での使用方法

「俺、小説家目指すわ!」

「サルでも無限にいればシェイクスピア並の作品を書けるからお前にもできるかもな」

本サイトで紹介している用語一覧は以下です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です