ポリアンナ効果:ポジティブこそ最強?(知的な小話179)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

ポリアンナ効果とは

ポリアンナ効果とは、アメリカの心理学者であるチャールズ・オスグッドが提唱した、文字の上ではネガティブな言葉よりもポジティブな言葉の方が印象に残りやすいという心理学的な性質です。

幸せ探しを行う少女が主人公の小説である『少女ポリアンナ』が由来となっています。

人間の脳は、肯定文の方が否定分よりも受け入れやすいため、その文章に対する感情が同程度であれば、ポジティブな内容はネガティブな内容よりも記憶に残りやすくなります。

普段悪口ばかり言っている人からは皆、離れて行ってしまいます。

常にネガティブな人は、周囲の人に良い影響を与えることができません。

一方で、人の良いところを見つけ、周囲の人を褒めたり好意的な言葉をかけたりする人の周りには自然と人が集まってきます。

ポジティブでいた方が自分自身も楽しいですし、周囲の人に良い影響を与えることができるでしょう。

過去は美化されるとしばしば言われますが、ポリアンナ効果によってプラスの記憶が残る一方で、マイナスの記憶が薄れるためだと考えられます。

ポリアンナ症候群に注意?

前向きな言葉の方が後ろ向きな言葉よりも記憶に残りやすいというポリアンナ効果ですが、ポジティブも行き過ぎると良くありません。

悪い部分から目を逸らしたり、自分にとって都合の良い情報ばかり集めてしまうような状況はただの現実逃避に過ぎません。

そうした楽観主義の負の側面に陥っている状態をポリアンナ症候群と呼びます。

ポリアンナ症候群は、現状の自分を正当化しようとする「認知的不協和」や、自分にとって都合の良い情報ばかり集める「確証バイアス」の一種と言えます。

程よいポジティブ思考はプラスの効果が大きいですが、過度な楽観主義は自己満足やナルシズムに繋がります。

現実をある程度直視しつつ、物事の良い部分を見つけられるような生き方がベストだと言えるでしょう。

日常会話での使用方法

「あの子と目が合った! 僕のことを好きに違いない!」

「ポリアンナ症候群かよ」



本サイトで紹介している用語一覧は以下です。



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