ロールシャッハテスト:インクの染みで心理状態がわかる?(知的な小話195)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

ロールシャッハテストとは

ロールシャッハテストとは、被験者にインクの染みを見せ、何に見えるかを答えされることで、その人の思考方法や感情の状態を調べる検査方法です。

1921年にスイスの精神科医であるヘルマン・ロールシャッハによって考案されました。

紙の上にインクを落とし、2つ折りにしてから広げることで、左右対称の模様が作られます。

そのランダムな模様を見て、それが何に見えるかを答えさせることで、その人がどのような仮定で物事を考え、どういった精神状態であるかを推し量るのが、ロールシャッハテストです。

被験者はどのように答えればどのような結果が出るのかわからないため、無意識や深層心理を分析するのに有用です。

しかし、逆に言えば、被験者の回答をどう読み解くかに高度な技術を要するため、ロールシャッハテストには検査を行う側の技量も必要となります。

そうした性質から、テストを行う人の能力によって結果も変わってしまうため、科学的な妥当性を疑問視する声もあります。

ロールシャッハテストの基準

ロールシャッハテストでは、被験者の回答から闇雲に思考や心理状態を想像する訳ではありません。

以下の4つの観点から被験者の回答を分析します。

①回答があった回数とかかった時間、拒否した回数
②図形の形についての内容か、色や動きに関する内容か
③全体に関する内容か、部分に関する内容か
④何に見えていたのか

ロールシャッハは、こうした複合的な基準から健常者の回答の傾向と統合失調患者の回答の傾向を比較することで、精神病の早期発見が可能となると考えました。

ちなみに、3つの点が人間の顔に見えてしまう心理現象は、シミュラクラ現象と言います。

日常会話での使用方法

「天井の染みがモンシロチョウに見える・・・」

「ロールシャッハテストみたいだね」



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