哲学ゾンビ:自分以外みんな偽物?(知的な小話17)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

哲学ゾンビとは

哲学ゾンビとは、見かけ上は普通の人間と全く同様に行動するものの、意識や思考などの中身は空っぽである架空の存在のことです。

オーストラリアの哲学者デイビッド・チャーマーズによって提唱されました。

人間と哲学ゾンビにある明確な違いは、内面的な心的体験があるかどうかだけです。

哲学ゾンビには感情はありませんが、表面上はあたかも感情があるかのように、普通の人間と変わらず行動します。

哲学ゾンビは人間と同じ肉体を持っており、食事をすることもできますし、他人と冗談を交えながら語り合うこともできます。

ただし、一切の感情を持ちません。

この話の恐ろしいところは、感情の有無は本人にしかわからず、外からは確かめようがないということです。

誰もが一度は「自分以外の人間は、中身のないロボットなのかもしれない」と考えたことがあるのではないでしょうか。

人工知能とクオリア

哲学ゾンビと普通の人間の差は感情の有無だけです。

こうした意識の中の主観的な部分のことを、脳科学の用語でクオリアと呼びます。

例えば「トマトが赤い感じ」や「転んで痛いという感じ」や「本を読んで面白いという感じ」といったものがクオリアに当たります。

クオリアを持たない哲学ゾンビという概念は昔から存在し、人間の心について議論をする際に良く取り上げられますが、実際に存在すると考えている人は多くありませんでした。

しかし、最近になって、哲学ゾンビが実際にこの世界に生まれようとしています。

それは、AI(人工知能)を搭載したロボットです。

AIはディープラーニングによる学習で、人間の会話パターンを分析し、どんどん人間に近い会話の手法を取得しています。

現在の技術でも、Appleの「Siri」や、MicroSoftの「りんな」は一定程度のレベルで人と対話することが可能です。

この先、技術が発展すれば、ますます人間に近づき、通常の人間と変わらないレベルで会話ができるようになることでしょう。

AIは、本当の人間と違い、煩わしい人間関係に悩まされることはありませんし、いつでもユーモラスな会話で人を楽しませることができるでしょう。

そうなれば、実際の人間よりも、AIとともに暮らすことを好み、友達や恋人同然に扱う人も出てくるかもしれません。

ですが、当然ながら哲学ゾンビと同様、AIには感情がありません。

表面上は幸せで楽しい会話をすることができますが、実はプログラムが機械的に返答をしているだけの空虚なやり取りです。

本人が幸せならそれもいいのかもしれませんね。

日常会話での使用方法

「ひろし、ちゃんと宿題は終わったの?」

「どうせ僕以外みんな哲学ゾンビのくせにうるさい!」

漫画でおさらい

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