6次の隔たり:人類はみんな友達?(知的な小話18)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

6次の隔たり(へだたり)とは

6次の隔たりとは、全ての人間は6ステップ以内で繋がっていて、知り合いの知り合いをどんどん介していくと、世界中の人と間接的な知り合いになることができるという仮説です。

要は、6人たどれば、世界中の誰とでも繋がることができるだろうということです。

フェイスブックやツイッターなどのソーシャルネットワーキングサービスも、この仮説が下地になっています。

ちなみに、全ての人に、それぞれ45人の知り合いがいるとすると、以下のような計算式で約83億人になるため、あながちこの仮説は間違っていないのかもしれません。

45×45×45×45×45×45=約83億人


こうした仮説はスモールワールド現象とも呼ばれます。

ある友達と別の友達が実は知り合いで「世界は狭いな」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

人と人との繋がりを最も把握しているフェイスブック社も、平均3.5人をたどれば全ての人と繋がることができると発表しています。

この仮説は、1929年にハンガリーの作家フリゲシュ・カリンタイが提唱し、後に社会心理学者のスタンリー・ミルグラムが実験を行って認知度が高まりました。

6次の隔たりの検証

45人の知り合いがいるという仮定で、6回乗算をすると、83億という数字になるというと、イメージよりはるかに大きく、驚く方も多いかもしれません。

しかし、今回のような累乗の計算では、小さい数字でも実際に計算してみると、確かに莫大な数になります。

薄い新聞紙でも42回折ると月に届くという話は有名です。

もちろん実際に折ることはできませんが 新聞紙の厚さを0.1ミリとしても、42回掛け算をすれば、計算上は地球から月までの距離である38万キロに到達します。

ちなみに2014年8月27日放送の「水曜日のダウンタウン」では「数珠つなぎ6人で誰の電話番号にでもたどり着ける説」という説が取り上げられましたが、これも6次の隔たりを元ネタとした企画です。

この説の検証方法は、街でランダムな人に「松本人志と面識がありそうな友人はいないか?」と問いかけ、紹介された人にも同様の質問をしていくというものです。

街中の無作為の3人で調査をしていましたが、結果として、3人全員が6ステップ以内で松本人志の電話番号にたどり着くことに成功しました。

6次の隔たりの歴史と発展

1929年、ハンガリーの作家フリゲシュ・カリンタイが短編小説「チェーン・リンク」でこの仮説を提唱しました。

その後、1960年代にアメリカの社会心理学者スタンリー・ミルグラムが「小さな世界実験」として実際に検証を行いました。

ミルグラムは、アメリカ国内のランダムな人々に手紙を送り、その手紙が最終的に特定の人物に届くまでに何人の人々を経由するかを調べました。

結果として、平均して5.5人を経由して手紙が届いたことから、6次の隔たり仮説が広く知られるようになりました。

現代社会での影響と応用

インターネットの普及により、6次の隔たり仮説はさらに注目を集めるようになりました。

例えば、Facebookでは2011年に実施された調査で、ユーザー間の平均的なつながりが4.74という結果が出ています。

これは、インターネットが人々のつながりをより密接にし、6次の隔たりがさらに短くなっていることを示唆しています。

6次の隔たりは、マーケティングやビジネスにも応用されています。口コミやSNSを通じて商品やサービスが広がる現象は、「バイラルマーケティング」と呼ばれ、6次の隔たりが関係しているとされています。

また、ビジネスでは、人脈を活用することで新たな取引先やビジネスチャンスを見つけることができるため、6次の隔たりはネットワーキングの重要性を示しています。

6次の隔たりの問題点と限界

しかし、6次の隔たりにはいくつかの問題点や限界があります。

まず、ミルグラムの実験においては、手紙が最終的に届く確率は低く、実際には多くの手紙が途中で失われていました。

これは、6次の隔たりがすべての人間関係に当てはまるわけではなく、一部のつながりが強いケースに限定される可能性を示唆しています。

また、言語や文化の違い、地理的な隔たりなど、様々な要因が人々のつながりを制限していることも指摘されています。

これらの要因によって、実際のつながりは6次よりも大幅に長くなることがあります。

さらに、6次の隔たりが短くなることで生じる問題もあります。

例えば、プライバシーやセキュリティの懸念が増大し、個人情報が簡単に広がってしまうリスクが高まります。

また、SNSを通じた拡散情報が誤った情報やデマである場合、その影響力は非常に大きくなります。

まとめ

6次の隔たりは、興味深い仮説であり、人々のつながりやコミュニケーションの重要性を示しています。

インターネットの普及により、世界中の人々がより密接につながっており、マーケティングやビジネスにも応用されています。

しかし、同時に問題点や限界も存在し、その影響に注意を払う必要があります。

今後も、6次の隔たり仮説を研究し、社会やコミュニケーションの発展に役立てることが期待されています。

この仮説を理解することで、私たち一人一人がどのように他の人々とつながっているのか、そしてそのつながりをどのように活用できるのかについて考えるきっかけになるでしょう。

本サイトで紹介している用語一覧は以下です。

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