ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
永劫回帰(えいごうかいき)とは
永劫回帰とは、ドイツの哲学者ニーチェによって説かれた、世界は同じことが永久に繰り返されるとする説です。
時間は無限に流れ、物質は有限であるとします。
その場合、この世界は無限の時間の中で、有限の物質が組み合わされて出来ていることになります。
時間は無限なので、現在の物質の組み合わせ(=世界の状態)は過去にも存在したこともあるでしょうし、未来にも再び全く同じ組み合わせが構成されることがあるでしょう。

そのため、無限の時の中で、この世界は同じことを繰り返し続けていると考えることができます。
もし私たちが死んでしまっても、遠い未来に、無限の時の中で原子が同じ組み合わせで構成され、再び私たちが生まれる可能性もあるのです。
ニーチェの教え
ニーチェは 『ツァラトゥストラはかく語りき』の中でこの概念を提唱しました。
ニーチェは永劫回帰の考え方で、どうせ同じ人生を繰り返すのだから人は努力をしなくて良い、と言っているのではありません。
この世界や人間は無価値であると考えている状態を、ニーチェは「ニヒリズム」と呼んでいます。
しかし、この生きる意味を失った状態の中でも、価値や喜びを見出し、積極的に生きることのできる存在を目指す必要があるとしています。
そのような存在を「超人」と呼んでおり、人は「超人」を目指すべきだと主張しています。
ニーチェは永劫回帰という概念を使って、人は同じ人生を繰り返すのだから、繰り返しても後悔の無いような積極的な生き方をすることが重要であると説いているのです。
現代にも、やる気を失い、怠惰な生活をしている人間がたくさんいます。
ニーチェは19世紀の哲学者ですが、このように現在にも普遍的に当てはまるような考え方がたくさんあります。
今こそ、ニーチェの教えを見直してみるのも良いかもしれません。
日常会話での使用方法
「俺は彼女もいないし、無職だし、不細工だし、もうダメだ」
「永劫回帰によると過去も未来もお前はそのままだぞ」
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