ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
MECEとは
MECE(ミーシー)とは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略で、要素に漏れやダブりがない状態を指します。
各単語の意味は以下の通りです。
・Mutually:互いに
・Exclusive:排他的で
・Collectively:全体に
・Exhaustive:抜け漏れがない
ロジカルシンキング(論理的思考)の最も基礎となる考え方の1つで、物事を整理する際に重要な思考法となります。
私は現在IT系のコンサルタントとして働いていますが、コンサルタントとして最も基本的なスキルはロジカルシンキングだと考えています。
入社時の研修の中で最も初めに学んだことはロジカルシンキングであり、そのロジカルシンキングの中で初めに学んだのが「MECE」という考え方です。
それほど重要なMECEがどのようなものなのか具体的に見ていきます。
漏れなしダブりなしの状態とは
MECEは「漏れなしダブりなし」の状態を指します。
漏れなしダブりなしの状態をわかりやすく説明するために、まずは漏れがある状態やダブりがある状態について説明します。
漏れありの状態とは
漏れがあると物事をMECEに整理できているとは言えません。
例として、世界の国を位置している地域ごとに整理する場合を考えてみます。
この時、地域を以下のように分けたとします。
・ユーラシア大陸
・アフリカ大陸
・北アメリカ大陸
・南アメリカ大陸
・南極大陸
パット見た印象だと上手く整理できているようにも見えますが、上記の分類だとオーストラリア大陸が抜けています。
このように、分類した内容に抜け漏れがあると、要素を網羅的に整理することができません。
物事の分類をする際は、全ての要素を洗い出せているかを考える必要があります。
ダブりありの状態とは
漏れを無くすことも重要ですが、ダブりがあっても物事をMECEに整理できているとは言えません。
同様に、世界の国を位置している地域ごとに整理する場合を考えてみます。
この時、以下のように地域を分けたとします。
・ユーラシア大陸
・アフリカ大陸
・北アメリカ大陸
・南アメリカ大陸
・南極大陸
・オーストラリア大陸
・ヨーロッパ地方
この場合はどうでしょうか。
オーストラリア大陸を含めているため、全ての地域を網羅できており、漏れなく整理することはできています。
しかし、MECEに物事を整理するには、漏れが無いことに加えて、ダブりが無いことについても注意しなければなりません。
ここでは、ヨーロッパ地方という分類を追加していますが、ヨーロッパはユーラシア大陸の一部なので、分類が重複してしまっています。
このように、分類した内容にダブりがあると、要素をキレイに整理することができません。
物事の分類をする際は、重複してしまっている箇所が無いかを考える必要があります。
世界の国をMECEに分類すると?
もうお分かりかと思いますが、上記の漏れとダブりを考慮して、世界の国をMECEに分類すると、以下のようになります。
・ユーラシア大陸
・アフリカ大陸
・北アメリカ大陸
・南アメリカ大陸
・南極大陸
・オーストラリア大陸
このように整理すれば、この分類から抜け漏れる国もありませんし、重複して複数の分類に含まれる国もありません。
完全にMECEな状態だと言えます。
もちろん、MECEな分類方法はたった1つではありません。
例えば、以下のような方法でも世界の国をMECEに分類することができます。
・国名による分類(「ア行」で始まる国、「カ行」で始まる国…)
・人口による分類(人口3億人以上の国、人工3億人未満~1億人以上の国…)
・核兵器の保有による分類(核保有国、非核保有国)
適切な分類方法は状況によって異なるので、どういった目的で物事を整理したいのかに応じて切り分け方を選択する必要があります。
思考を整理する上で、MECEは必須の考え方です。
日々の生活の中で意識することで、しっかりとロジカルシンキングの基礎を身につけましょう。
日常会話での使用方法
「好きな食べ物? 肉と牛肉かな!」
「うーん、その回答はMECEじゃないね」
本サイトで紹介している用語一覧は以下です。