悪魔の代弁者:あえて反対意見を出す手法は何のためにある?(知的な小話184)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

悪魔の代弁者とは

悪魔の代弁者とは、議論や討論の際に、あえて多数派の意見に対して反対意見を述べることで、議論を進める役割を指します。

議論の際に皆が同じ意見だと、別の可能性を排除してしまったり、何か見落としがあったりするかもしれません。

そんな時に、悪魔の代弁者が存在すれば、異なる方向からの意見を得られ、より有益な議論をすることができます。

日本人には反論を受けると嫌な気持ちになる方も多いですが、反対意見が無いと有意義な議論はできません。

反対意見があるにも関わらず、場の空気によって発言ができないような状況では、全員が本来の意志とは異なる決定をしてしまうという、アビリーンのパラドックスのようなことが起きてしまうかもしれません。

悪魔の代弁者という言葉は、古来のカトリック教会が聖職者を選ぶ際に、その候補者の相応しくない点をあえて悪魔の立場から挙げるという役割があったことに由来します。

競技ディベートと悪魔の代弁者

悪魔の代弁者の考え方は、競技ディベートにも取り入れられています。

私は学生時代、競技ディベートの活動をしていました。

競技ディベートは簡単に言うと、ある論題に対して肯定側と否定側に分かれて意見を主張し合い、どちらの主張が説得力を持っていたかを競うゲームです。

論題は例えば「日本は死刑制度を廃止すべきだ」「日本は消費税を増税すべきだ」といったようなものがあります。

論題は事前に発表され、数か月間の準備期間を経て、大会が行われます。

ディベートの面白さの一つとして、試合の直前まで、自分が肯定側になるか否定側になるかわからないという点があります。

そのため、競技の参加者は自分がどちらの立場になっても議論ができるように、両方の立場で戦えるような準備をする必要があります。

参加者本人の考えと、ディベートの試合中に主張している議論は一致していない場合も往々にしてあるのです。

当然、死刑制度の是非を論じる際に、ディベートの参加者が全員死刑制度に賛成だったら議論になりません。

そこで、あえて参加者の意思とは無関係に肯定側と否定側に分けることで、より円滑で活発な議論を行うことができるような仕組みをとっているのです。

日常会話での使用方法

「今日こそあの子に告白して成功してみせるぞ!」

「悪魔の代弁者として言わせてもらうと、君は格好良くないから無理だと思うよ」

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