オッカムの剃刀:シンプルこそ至高?(知的な小話83)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

オッカムの剃刀(カミソリ)とは

オッカムの剃刀とは、イギリスの哲学者オッカムによる、ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定すべきでないという考え方です。

無駄なことはどんどん削ぎ落とした方が良いということから剃刀に例えられています。

オッカムの剃刀は、物事をシンプルに捉えようとする思考法で、ある事象を説明するのにA、Bの2つの事柄で十分なのに、Cについて説明するのは無駄だということになります。

例えば、「今朝、電車が止まって遅刻した」と遅刻の理由を伝えるとします。

その際、補足情報として「今朝、緑色の電車が止まって遅刻した」と電車の色についても付け加えることもできますが、その情報に意味はありません。

遅刻について話す際には、電車の色については言及しなくとも、遅刻した事実とその理由だけを伝えるだけで十分です。

このように、無駄な情報は極力省くべきだというのが、オッカムの剃刀の考え方です。

電車の色の例では、不要な情報であることが明らかですが、複雑な物事の本質をシンプルに捉えるのは簡単なことではありません。

以下の記事で紹介しているメイヤーの法則は、物事を単純にすることの難しさを示しています。

科学と宗教はどちらがシンプルか

オッカムは14世紀のイギリスで生きた哲学者で、その頃はまだ科学的な考え方が一般的でなく、全ての自然現象は聖書と神によって説明されていました。

しかし、ある時オッカムは自然現象について解明する際に、神を持ち出す必要が無いことに気づきました。

例えば、雷が発生する理由について、科学的に説明すると「上空と地面の間に電位差が生じた場合の放電により起きる」ということになります。

一方で、宗教を使って説明すると「神が怒って人を罰している」となります。

科学的に説明するとシンプルな原理で言い表すことができますが、神を使って雷を説明した場合、「神とは何者か」「どのように電気を起こしているのか」「なぜ人を罰するのか」など、様々な説明が追加で必要となります。

そのため、オッカムの剃刀の考え方に則ると、よりシンプルに原理を説明できる科学的な説明の方が優れているということになるのです。

頭の良い人は、物事をシンプルに伝えられるという俗説も、オッカムの剃刀が元となっているのかもしれません。

日常会話での使用方法

「オッカムの剃刀を使うべき対象は、何度も何度も繰り返し表現されている部分または、冗長な説明がなされている部分、ないしは…」

「いやお前に一番使いたいよ」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です