トートロジー:右という言葉の定義は?(知的な小話119)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

トートロジーとは

トートロジーとは、ある事柄を説明するのに、同義語や類義語を反復する手法です。

「力とはパワーだ」「空は青いから青い」といった無意味な言葉の反復はトートロジーと言えます。

小説や詩の修辞技法として利用されることもありますが、議論などで相手を煙に巻く際に悪用されることもあります。

例えば、イスラム教の聖典であるコーランには「唯一神のアラーの決定が全て正しい」と記載されています。

そしてコーランはアラーが決定したため、コーランの内容も正しいと主張されます。

これはまさにトートロジーによる論法です。

コーランの正しさはアラーによって支持されており、アラーの正しさはコーランによって支持されています。

つまり、互いが互いの正しさを保証しているだけであり、本質的には何も論理的な説明がされていないのと同じです。

このように、一見するとロジックが通っているように見えますが、実は何の内容も伴っていないような議論を行うことが可能なので、注意する必要があります。

議論の内容をループさせることから、循環論法とも呼ばれます。

「右」の定義は?

辞書で「右」という言葉を調べると、どのような説明がされているでしょうか。

文字だけで「右」という概念を説明するのは非常に難しいように感じます。

広辞苑には「南を向いたとき、西にあたる方」と書いてあり、新明解国語辞典には「アナログ時計の1時~5時までの表示がある側」と記載されています。

大辞泉では「大部分の人が食事の時、箸を持つ側」としており、どの辞書も色々な工夫をして「右」の定義をしていることがわかります。

しかし、中には「左の反対」といった定義をしている辞書も存在します。

これでは明確に「右」の定義をできているとは言えません。

そうした辞書で「左」を調べてみると「右の反対」と書かれており、結局「右」という言葉と「左」という言葉の説明ができていません。

これはまさにトートロジーが発生している状況で、「右」と「左」の言葉を知らない人が読むと、わからない言葉でわからない言葉を説明していることになり、意味が理解できません。

文字通り右も左もわからなくなってしまいます。

このように、油断をしていると日常でもトートロジーの罠にハマってしまう場合があるので、注意する必要があります。

日常会話での使用方法

「とにかく嫌だから、あいつが嫌いなんだ!」

「トートロジーじゃん」

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