ゴールドディガーモデルとは?「つるはしを売る」発想で、支える仕事を考える

金を探している人がたくさんいるなら、金を掘る以外にも仕事が生まれます。つるはしを売る、食事を用意する、荷物を運ぶ。ゴールドディガーモデルは、こうした「挑戦する人を支える側」に目を向けるビジネスの考え方です。

ゴールドディガーモデルの意味

新しい市場が盛り上がると、成功を目指して多くの人が参入します。その人たちが共通して必要とする道具や知識、設備を提供するのが、この発想の中心です。日本のビジネスの話では「ゴールドラッシュでは、金を掘る人よりつるはしを売る人が儲かった」というたとえで紹介されます。

ここで考えたいのは、すべての商人が成功したという話ではありません。目立つ主役のすぐ隣に、繰り返し発生する困りごとがあるという点です。金が見つかるかどうかは不確かでも、採掘を始める人には道具が必要になります。

リーバイスの歴史から見えること

この話と一緒に出てくるのが、ジーンズで知られるリーバイ・ストラウスです。リーバイスの公式の歴史紹介によると、彼は1853年にサンフランシスコへ移り、衣料品や布などの卸売業を営みました。金を掘る本人になる以外の道を選んだわけです。

銅のリベットでズボンを補強する特許を、仕立て屋のジェイコブ・デイビスと取得したのは1873年。丈夫な作業着という具体的な需要に、材料と工夫で応えました。「流行に乗った」だけでなく、働く人が何に困っているかを捉えたところが面白い事例です。

アプリ開発なら、どんな仕事が周辺にある?

アプリを作る人が増える場面を、例として考えてみます。アプリそのものを作って利用者を集める道と、開発者を支える道の両方があります。

開発者の困りごと支える仕事の例
画面や素材を一から作るのに時間がかかる使いやすい素材や画面部品を提供する
公開前の確認で抜け漏れが起きる端末ごとの動作確認やチェックの仕組みを用意する
操作方法が利用者に伝わらない説明文やチュートリアルの制作を支援する

これは事業案を考えるための例です。同じ素材がすでに十分に揃っているなら、追加で作っても選ばれないかもしれません。逆に、よく使われる部品でも「日本語の説明がわかりやすい」「導入するときに迷わない」といった違いに価値が出ることがあります。

「支える側なら安全」とは限らない

つるはし屋にも仕入れ、在庫、競争があります。周辺サービスでも、参入する人が減れば需要が落ちます。売ったあとに質問への対応や更新が続くなら、その時間も費用です。

特に、成功の可能性を売るサービスは、利用者の期待と実際の提供内容がずれやすくなります。「これを買えば必ず稼げる」より、何ができるようになるのか、何は含まれないのかを具体的にすることが、長く使ってもらうための土台になります。

身近な困りごとから試す

考える順番は、盛り上がっている市場を探すだけでは足りません。「誰が」「どの作業で」「どれくらい困っているか」を一つずつ絞っていきます。便利そうに見えても、月に一度しか使わない機能と、毎日時間を取られる作業では、必要とされ方が違います。

  1. 実際の作業を見て、同じ手間が繰り返される場所を探す。
  2. すでにある解決方法と比べ、違いを一文で説明する。
  3. 小さな道具や試作品を作り、使った感想を聞く。
  4. 制作だけでなく、維持や問い合わせにかかる時間も確かめる。

主役になることだけに目を向けていると、舞台を支える仕事は見えにくくなります。誰かの挑戦がスムーズになる場所を探すと、アイデアの入口が一つ増えます。

事業の強みと周囲の状況を整理したいときはSWOT分析、制作の流れが気になる方はスマホアプリの公開までの手順もどうぞ。

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