カチッサー効果:理由付けが大事な訳は?(知的な小話114)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

カチッサー効果とは

カチッサー効果とは、頼みごとをする際、ただ要求をするだけでなく、理由付けをして要求をした方が相手に承諾してもらいやすくなるという心理学的な現象です。

例えば、普通に「バイトのシフト変わって」と頼むよりも、「家族が病気で看病しないといけないからバイトのシフト変わって」と頼んだ場合の方が承諾率が高くなります。

これだけだと当たり前のことを言っているだけのように思えますが、エレン・ランガーというアメリカの心理学者が行った実験で、面白いことが証明されています。

実験の内容は、コピー機の順番待ちをしている先頭の人に、3通りの頼み方で「先に5枚だけコピーをさせてほしい」と頼むというものです。

①普通に「5枚だけ先にコピーをさせてください」と頼む
②「急いでいるので、5枚だけ先にコピーをさせてください」と理由を付けて頼む
③「コピーをしたいので、5枚だけ先にコピーをさせてください」と理由を付けて頼む



②と③はどちらも理由を付けていますが、③の「コピーをしたいので」という理由は何の意味も成しておらず、本質的には理由が無いのと同義です。

しかし、実際に先にコピーをさせてもらえた承諾率は、①の場合に60%、②の場合に94%、③の場合に93%となりました。

理由を付けていなかった①と、理由を付けていた②③には大きな差がありますが、理由の内容に意味のある②と、理由の内容に意味が無い③には、ほとんど差がありません。

この結果から、人は要求の承諾を判断する際には、理由の中身が重要なのではなく、理由が存在すること自体を重視していることがわかります。

依頼をする時に承諾率を上げるためのその他の有名な方法として、以下のような方法もあります。

過信は禁物

適当な理由を付けるだけで承諾率が上がるカチッサー効果ですが、その効力も過信は禁物です。

コピーを5枚だけ先に取らせてもらうという上記の例では、無意味な理由でも承諾率が上がりましたが、コピーを20枚先に取らせてもらう場合ではあまり効果を発揮しませんでした。

①普通に「先に20枚コピーをさせてください」と頼む
②「急いでいるので、先に20枚コピーをさせてください」と理由を付けて頼む
③「コピーをしたいので、先に20枚コピーをさせてください」と理由を付けて頼む


①では24%、②では42%、③では24%という結果となったのです。

20枚を先にコピーさせるというのは待ち時間も長く、本当に正当な理由があるのかを考える人が多かったのでしょう。

カチッサー効果は、小さな頼み事であれば有効ですが、時間や労力が必要なハードルの高い頼み事では、あまり効果を発揮しないようです。

日常会話での使用方法

「週末は良い天気みたいだから、僕とデートしようよ」

「え、こわ・・・」

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