マーフィーの法則とは?「大事なときほど失敗する」を準備に変える

マーフィーの法則は、起こり得る失敗を見落とさないための経験的な言い回しです。「大事なときほど失敗する」と感じる理由を、記憶の偏り、普段と違う条件、繰り返す回数から考えます。悪いことを思うと現実になる法則ではなく、具体的な準備へつなげて読むと役立ちます。

起こり得る失敗を、あらかじめ考える

マーフィーの法則は、うまくいかない可能性があるなら、その可能性を無視しない、という趣旨で語られます。ロケットスレッド試験の歴史とも結びついており、米空軍のホロマン基地の記事でも、試験に関わったマーフィーとスタップの話が紹介されています。

物理法則のように、何かの失敗確率を一つの式で決める法則ではありません。「必ず最悪の結果になる」と予言するより、失敗できる場所を見落とさないための言葉と考えられます。

大事な日には、同じ出来事の重みが違う

休みの日に電車が五分遅れても、すぐ忘れるかもしれません。面接に向かう日に五分遅れたら、強く覚えています。同じ遅れでも、結果や記憶への影響が違います。

だから「急いでいる日に限って遅れる」と感じても、まず、大事でない日をどれほど数えているかを考えられます。失敗した場面ばかり思い出せば、実際の頻度とは違う印象になることがあります。

ただし、すべてを記憶の偏りだけで片づけるのも早いでしょう。急ぐ日は混雑する時間を使っている、実演時は普段と違う通信環境にいる、といった条件の違いもあります。

一回の失敗が小さくても、機会が多いと増える

架空の機械で、一回の動作に1%の失敗確率があり、各回が独立だとします。一回なら、成功確率は99%です。

100回すべて成功する確率は0.99の100乗、約36.6%。少なくとも一回失敗する確率は、1−0.99の100乗で、約63.4%になります。

この計算例では、「一回なら大丈夫そう」と「100回のどこかでも大丈夫そう」は違います。実際の機械の失敗が独立とは限りませんが、機会の数を考える入口になります。

アプリの実演は、普段と条件が違う

作ったアプリを見せるとき、開発中の端末では保存済みのデータがあり、必要な権限も設定済みかもしれません。初めて使う端末では、入力が空で、権限が未設定、通信も不安定という場合があります。

「いつもは動いた」のいつもが、実演の条件と違えば、失敗が起きても不思議ではありません。大事な場面だから失敗したというより、大事な場面で初めて試した条件があるのかもしれません。

空の状態から始める、通信を使う箇所を確認する、表示中にアプリを切り替えて戻る。使う人の条件へ近づけると、失敗の理由を見つけやすくなります。

不安を増やすより、失敗の影響を小さくする

起こり得ること準備の例
電車が遅れる重要な予定には移動の余裕を取る
通信が切れる再試行できる表示や、説明用の画面を用意する
入力を間違える消す前に確認し、戻せる操作を作る
端末の電源が切れる進行を保存し、再開できるようにする

対策の目的は、世界中の失敗をゼロにすることではありません。起きやすさと影響に合う準備をして、起きた後にも進めるようにすることです。

例えば、説明のたびに完璧な通信を要求するより、実際の画面を用意しておくと、回線が止まっても遊び方は伝えられます。データを消す操作も、やり直せるなら失敗の負担が変わります。

「なぜ今日に限って」を、次の設計へ

失敗したときは、運が悪かったで終える前に、普段と違った条件を一つ探してみます。違いが見つかれば、次に試す内容も決まります。

一方、条件を調べても偶然の範囲だったなら、無理に法則を見つける必要はありません。うまくいった回も含めて見直すと、不幸ばかり続くという印象も確かめられます。

マーフィーの法則は、失敗を待つためより、失敗しても困りにくい仕組みを作るために使いたい言葉です。大切な日に備えることと、大切な日は必ず悪い日になると決めることは、別なのです。

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