自分には面白いゲームだから、みんなも面白いはず。自分ならその設定を使うから、ユーザーも使うはず。そう思って相手の反応が違うと、意外に感じます。偽の合意効果は、自分の選択がどれくらい一般的かを判断するときに起こる偏りです。
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自分の意見を、多くの人が共有しているように見積もる
偽の合意効果は、自分と同じ意見や行動を選ぶ人の割合を、相対的に高く見積もる傾向です。英語のfalse consensus effectから、フォールス・コンセンサス効果とも呼ばれます。
「同じ好みの人がいる」ことが間違いなのではありません。実際の割合を確かめず、自分の好みから周りの人全体を推測しすぎる点が問題です。反対の立場の人も、同じように自分の選択を普通だと思っているかもしれません。
研究では、選んだ行動によって「他の人」の予想が変わった
ロス、グリーン、ハウスの1977年の研究では、仮想的な場面の質問や、実際の選択場面を使って、他人の行動の見積もりを調べました。自分と同じ反応を比較的一般的だと見なし、異なる反応を珍しいものと見なす傾向が示されています。
有名なのは、学生に看板を身につけて歩くよう頼む課題です。ここで聞いているのは、単に「他の人も了承すると思うか」という賛否ではなく、他の学生のどれくらいが同意するかという見積もりです。
自分が引き受けた人と断った人では、他の学生の選択についての予想も変わる。この違いが、自分の判断を通して他人を見ていることを考える手掛かりになります。
「みんな」の範囲を、まず言葉にする
同じ趣味の友達に囲まれていれば、話題のゲームをみんなが知っているように感じます。けれど、その友達の集まりと、初めてアプリを触る人は、同じ集団ではありません。
「みんなこの操作を知っている」と言うときの「みんな」は、開発者同士なのか、既存のプレイヤーなのか、初めて遊ぶ人なのか。範囲を変えるだけで、必要な説明も変わります。
自分に似た人の意見を集めること自体は悪くありません。ただ、その結果を別の人たちへ広げる前に、どこまで分かったのかを区切ると、判断が具体的になります。
アプリのテストでは、自分の理解をいったん脇に置く
架空の謎解きゲームで、開発者が「このアイコンはヒントだと一目で分かる」と考えたとします。遊ぶ人に「ヒントだと分かりましたよね?」と聞くと、答えの方向を教えてしまいます。
代わりに「困ったときは、どこを押しますか」「このマークは何ができると思いますか」と聞いてみる。実際に探す様子を見ると、開発者の予想と操作の違いが分かりやすくなります。
- 自分の予想を、テストの前に短く書いておく。
- 狙いを説明する前に、相手の操作や言葉を見る。
- 同じ趣味の人だけでなく、想定する初めての利用者にも聞く。
- 人数と聞いた相手を記録し、全員の意見に広げすぎない。
意見が違っても、相手の性格まで決めない
「自分なら断るから、引き受ける人は変だ」「自分なら疑うから、信じる人は考えていない」。選択の違いから、人物全体の評価へ飛ぶと、相手の事情を見落とします。
情報、経験、優先したいことが違えば、判断も変わります。相手の選択を知ったら「何を重視しましたか」と理由を聞くほうが、次の提案にも使えます。
自分の好みは、アイデアを作る大切な出発点です。そこから他人の好みを予想するときだけ、一歩足して確かめる。自分らしい作品を作ることと、初めて遊ぶ人への説明を整えることは、両方できます。
集団の本音が見えにくい問題はアビリーンのパラドックス、テストで見たい点はゲームのルール説明で紹介しています。
後続研究では、何と何を比べている?
Mullenら(1985)のメタ分析は、自分がある行動を選ぶ人と、別の行動を選ぶ人とで、その行動の普及率の見積もりが違うかを検討しています。研究間の結果の大きさにもばらつきがあります。
架空の例で、朝型の人が「朝型は60%」、夜型の人が「朝型は40%」と見積もったとします。ここには自分の選択に沿う見積もりの差があります。しかし実際の朝型の割合を調べていなければ、どちらが何ポイント外したかまでは分かりません。集団間の推定差と、実測値に対する誤差は別の問いです。
身近な友人だけに尋ねた結果を全国の割合に置き換えないことも必要です。似た生活の人が集まる仕組みが、見積もりの材料を偏らせる場合があります。

よくありがちな傾向ですね。気をつけたいです。
ちなみに「日常会話での使用方法」の浮気の疑いによる偽の合意効果なんですが、自分が好きだから他の人も好きになってしまうんじゃないかという考えも含まれると思います!
そういう場合もあるでしょうね。
もちろん、全ての場合で相手が考えていると想像していることが自分の考えの投影となる訳ではありませんね。