ウェルテル効果:自殺のニュースは報道すべきでない?(知的な小話122)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

ウェルテル効果とは

ウェルテル効果とは、メディアが有名人などの自殺を大々的に報道すると、その影響で自殺者が増加するという社会学的な現象です。

ドイツの自然科学者であるゲーテの著作『若きウェルテルの悩み』の主人公であるウェルテルは最終的に自殺をするのですが、これに影響された多くの人が同じ方法で自殺をしたということが名前の由来となっています。

ウェルテル効果は社会学者のデイヴィッド・フィリップによって実際に証明されています。

彼はニューヨークタイムズの一面に掲載された自殺のニュースと、全米の月間自殺者数の統計を比較することで、以下のような法則を発見しました。

1.自殺率は報道の後に上がり、その前には上がっていない。

2.自殺が大きく報道されればされるほど自殺率が上がる。

3.自殺の記事が手に入りやすい地域ほど自殺率が上がる。


フィリップの発見以降も様々な検証がなされ、新聞だけでなくテレビの自殺報道などでも、自殺者が増えることが明らかになっています。

WHO(世界保健機関)は、自殺をセンセーショナルに報道することを避けるよう示したガイドラインをメディア向けに示しています。

芸能人の影響力は凄い?

1998年に、人気音楽グループのXJAPANのhideが自宅で亡くなりました。

その後、hideはタオルをドアノブにかけて首を吊って自殺したと明らかになると、メディアは大々的にそのニュースを報道しました。

こうしたニュースは世間に衝撃を与え、推定で60人ものファンが後追いで自殺をしたとされています。

その結果、警視庁の要請により、XJAPANの他のメンバーが自殺を思いとどまるよう記者会見を開くという異例の事態に発展しました。

以降はメディアもhideの自殺に関する報道を自粛したとされています。


また、2011年には元貧乏グラビアアイドルとして活躍していた上原美優さんが自宅で自殺をし、大きな話題になりました。

メディアへの露出が多かった上原美優さんの突然の訃報は世間で大きな話題になり、ウェルテル効果を発生させました。

2011年の1日当たりの平均自殺者数は82人ですが、自殺報道から1週間は平均の1.5倍である124人が自殺をしたとされています。

日常会話での使用方法

「あの芸能人が死んだのって自殺だったらしいよ」

(こいつ、俺を自殺させようとしてないか?)

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