ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
ピーターの法則とは
ピーターの法則とは、会社などの組織は最終的には無能な人々の集団になるという法則です。
能力主義によって昇進が決まるピラミッド型の組織が、以下の3つのルールに則って人材の配置を行うとします。
①組織における昇進は能力で決まる
②今よりもっと仕事ができると判断されれば昇進し続ける
③これ以上仕事ができないと判断されれば、昇進はしない
これらのルールに従うと、時間が経過すると、全ての人材が最終的に限界だと判断されるポジションにつくことになります。
その結果、組織の全てのポジションは「これ以上の仕事ができない限界の人」で埋め尽くされます。
つまり、最終的に組織はある意味で無能な人間の集まりになってしまうのです。
無能化の回避方法
組織を運営するに当たり、何も考えずに昇進という仕組みを作ると、ピーターの法則の通りに、無能な集団の集まりとなってしまいます。
こうした無能状態を回避するためには、以下のような対策方法があります。
①出世制度を無くす
ピーターの法則の考案者である、ローレンス・ピーターは、役職を固定する階級社会こそが無能状態を避けるための効率的な社会であると主張しています。
私たちが想像する通常の会社では、評価をされるごとに、徐々に上の役職へと昇進していき、昇進するにつれて給与も上がります。
これでは、能力の限界とともに昇進がストップし、ピーターの法則の通りに、無能な集団が出来上がってしまいます。
しかし、人によって役職を固定し、成果を上げた従業員には、出世をさせずにそのまま高い給与を支払えば、人材が能力の限界となるポジションに配置されることはありません。
例えば、優秀な作業者が、無能な管理者へと出世してしまうような事態を防げるのです。
社員は適材適所で働き続けることができるのです。
②次のポジションの事前訓練を行う
次の回避方法は、出世という制度はキープしたまま、事前訓練によって社員の無能化を回避するというものです。
出世をして役職が変わると、仕事の内容も大きく変わります。
仕事内容の変化に対応できなければ、新たに用意されたポジションでパフォーマンスを発揮できず、無能な社員と判断され、その役職に固定化されてしまいます。
そうした事態を避けるためには、事前に次の役職の訓練をしておくことが有効です。
訓練により、次の役職の仕事が向いていないことがわかれば、出世を見送って、活躍できる現状のポジションに居続けることができますし、向いているのであれば、訓練で学んだ内容を活かして次のポジションでも活躍することができます。
このように、ピーターの法則をしっかり理解し、組織の運営方法に反映されば、組織全体の無能化を避けることができます。
日常会話での使用方法
「上司が無能すぎて仕事が進まないよ・・・」
「ピーターの法則を考えると仕方のないことだな」
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