ポール・ワイスの思考実験:魂の正体は?(知的な小話44)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

ポール・ワイスの思考実験とは

オーストリアの生物学者ポール・ワイスによって、生命に関しての思考実験が行われました。

ヒヨコを1羽用意します。

そのヒヨコを試験官の中に入れ、完全にバラバラに破砕し、ヒヨコの液体を生成します。

可哀そうですが、ヒヨコは当然死んでしまいます。(思考実験なので、本当にこの実験を行った訳ではありません。)

実験後にはいったい何が失われたのでしょうか?

この実験の前後では、試験管内の物質的は何も減っておらず、質量保存の法則を考えると、何も失われていないと言えます。

しかし、生きていたはずのヒヨコは死んでしまったため、ヒヨコの命は失われたと考えることもできます。

どちらの立場が正しいのでしょうか?


ポール・ワイスは、「生物学的組織が失われた」ということを結論としています。

物質的には当然変化はありませんが、物質の組み合わせが破壊されたことで、その組み合わせによって生じていた命も無くなったと主張しています。

彼の主張によると、物質の「構成」それ自体が命を作り出していたということになります。

解説

真偽のほどは不明ですが、似たような話として、人の死の瞬間を観察し続けたマクドゥーガルという博士による実験があります。

マクドゥーガルは、19世紀にアメリカで生まれた医師で、人間が死ぬ瞬間の体重の変化を記録することで、魂の質量を計測しようとしました。

博士は死期の迫った6人の患者の体重を測り、人は死んだ瞬間に21g体重が軽くなることを発見しました。

その報告はニューヨークタイムズにも取り上げられ、世界中に衝撃を与えました。

この結果から、人間の魂の重さは21gと考える人もいるようです。

21gというのは重いのか軽いのかわかりませんね。

しかし一方で、大昔に行われた実験であることから、博士の計測方法の正確さに疑問が残り、博士の計測ミスである可能性も指摘されています。

また、発汗により水分が気化し、重さが軽くなったように見えただけだという反論もあります。

いずれにせよ、「人の命は重い」と言われますが、質量的な意味では重くないようです。

日常会話での使用方法

「ヒヨコをミキサーでぐちゃぐちゃにして…」

「うわ、お前よくそんなこと考えられるな。友達やめるわ」



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3 Replies to “ポール・ワイスの思考実験:魂の正体は?(知的な小話44)”

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