正常性バイアス:火事が起きても逃げない人がいる理由は?(知的な小話106)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

正常性バイアスとは

正常性バイアスとは、人間が持つ、自分にとって都合の悪い情報を軽視しやすいという心理学的な特徴です。

デパートで買い物をしている最中に火災警報が鳴っても、「どうせ動作ミスだろう」「みんな逃げてないし大丈夫だ」などと考え、避難をしないような場合、正常性バイアスに陥っていると言えます。

かつては事件や災害などの緊急事態が発生した場合、人はパニックになって慌てがちだと考えられていましたが、最近の研究では人はそうした非常時には逆に何もしないことが多いと明らかになっており、正常性バイアスによる影響が注目されています。

事件や災害の発生の可能性がある場合は、とりあえず自分の身の安全を確保するために逃げておいて損は無いでしょう。

もしも誤報だったとしても損をすることはほとんど無いですが、本当に避難すべき状況であった場合、命が助かります。

正常性バイアスは都合の悪い情報を遮断する心理現象ですが、逆に都合の良い情報ばかり集めようとする心理現象は、確証バイアスと呼ばれています。

正常性バイアスの実例

東日本大震災では、15メートルという観測史上最大級の津波が発生し、多くの人が巻き込まれました。

正しく避難をしたにも関わらず、避難が間に合わずに津波に飲み込まれてしまった方も多かった一方で、中には避難の指示が出ていたにも関わらず、正常性バイアスにより迅速な行動ができなかったために亡くなった方もいます。

地震直後から各種メディアが津波による被害予測を報道していましたが、後に行われた人々の避難データ解析によると、ある地域では人々が実際に避難を開始したのは実際に津波を目撃してからだったそうです。

これは「津波で人が死ぬわけない」「メディアは大袈裟に報道しているだけだ」「他の人は逃げてない」といった正常性バイアスによる思い込みがもたらした悲劇です。

「大丈夫かもしれないが、一応逃げておこう」という判断ができていれば、助かった命もあったはずです。

万が一の非常事態に備え、人には危険を軽視しやすい性質があると知っておくことは重要です。

日常会話での使用方法

「30年間1度も彼女ができたことないけど、俺はまだ大丈夫なはずだ」

「正常性バイアスだ・・・」

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