イノベーター理論:イノベーションはどのように起きる?(知的な小話145)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

イノベーター理論とは

イノベーター理論とは、アメリカの社会学者であるエベレット・M・ロジャース教授が提唱したイノベーション普及に関する理論で、新たな商品やサービスが市場に浸透する過程を5つのグループに分類しています。

新たな市場に参入するのが早い順に以下の通りに分類されます。

1.イノベーター(Innovators:革新者)
新しいものを積極的に採用する人で、市場の2.5%を占めます。

2.アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
流行に敏感であり、良いと判断したものを積極的に採用する人で、市場の13.5%を占めます。

3.アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
比較的慎重派だが平均より早く新しいものを採用する人で、市場の34.0%を占めます。

4.レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
比較的懐疑派であり、周囲が採用したのを確認してから新たなものを採用する人で、市場の34.0%を占めます。

5.ラガード(Laggards:遅滞者)
最も保守的であり、流行への関心が薄い層で、新たなものを採用しない場合もある人で、市場の16%を占めます。

①冒険心に溢れるイノベーターが新たな商品を購入し、②流行の兆しを確認したアーリーアダプターが市場に参入し、③流行に遅れまいとするアーリーマジョリティもそれに追随し、④みんなに付いていくレイトマジョリティも商品を採用し、⑤最後にラガードまで広まる、という順でイノベーションは広まっていきます。

キャズムの壁

技術の進歩は猛スピードで進んでおり、日々新たな技術が生まれています。

世間に受け入れられ、瞬く間に広がっていく技術もありますが、世の中に受け入れられずに消えていく技術もあります。

イノベーター理論では、新技術が世の中に広まるかどうかは「普及率16%の論理」と呼ばれる壁を乗り越えられるかにかかっているとされます。

イノベーターとアーリーアダプターに受け入れられれば、市場全体の16%が技術を受け入れたことになり、その後のアーリーマジョリティ、レイトマジョリティへと容易に広がっていきます。

しかし、このアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にはキャズムと呼ばれる大きな溝が存在し、超えるのは非常に難しいです。

ブロックチェーンやIoTといった新技術がこれから世の中に広まるかどうかは、このキャズムの壁を乗り越えることができるかにかかっていると言えます。

日常会話での使用方法

「俺、最近ようやくフェイスブック始めたんだ!」

「ふっ、ラガードめ・・・」



本サイトで紹介している用語一覧は以下です。



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