ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
イケア効果とは
イケア効果とは、人は自分が作った作品のことを過大評価してしまいやすいという心理学的な性質です。
大した内容でもないにも関わらず、自分が書き上げた直後のレポートや作文が素晴らしいものに思えてしまっている場合、イケア効果が発生していると言えます。
スウェーデン発祥の大手家具量販店であるイケアが販売している組み立て式の家具が、自分で組み立てることによって愛着を得ていることから、この名が付いています。
アメリカの経済学者であるマイケル・ノートンは次のような実験を行いました。
被験者に家具の組み立てを行ってもらい、自分で組み立てた家具とその他の家具を並べ、それぞれの家具にいくらまで払ってよいかを尋ねます。
すると、被験者は自分で組み立てた家具に、通常より高い値段を付けたのです。
自分が作品にかけた労力を無駄だと思いたくないため、一種のコンコルド効果が働き、作品の出来を過大評価するのでしょう。
イケア効果は自画自賛と同義です。
シャカシャカチキンが美味しい理由
マクドナルドの人気商品に、シャカシャカチキン(通称シャカチキ)というメニューがあります。
シャカチキは、食べる前に客がチキンの袋の中に味付きの粉末を入れ、シャカシャカと振ることでチキンに味付けをします。
一見面倒な作業ですが、実はこの作業がシャカチキの人気の理由の1つとなっています。
もうお気づきかもしれませんが、袋を振って味付けをするという行為を客自身が行うことで、イケア効果が発生し、シャカチキを通常より美味しく感じているのです。
マクドナルドがこの効果を意図的に狙っていたのかは不明ですが、シャカチキが長年人気となっている要因の1つであることは間違いないでしょう。
イケア効果の回避方法
イケア効果によって自分の作品を過剰に評価してしまうと、客観的な自己評価の妨げになります。
イケア効果は特に作品を完成させた直後に発生しやすいです。
例えば、ブログのライターが記事を書き上げた時、本人にはその記事は素晴らしいものに見えやすいです。
しかし時間を置いて見直してみると、構成がイマイチだったり誤字があったりなど、粗が見えてくることが良くあります。
このように、イケア効果を回避するためには、ある程度の時間を置いて、客観的な目線で自分の作品を見ることが重要です。
日常会話での使用方法
「いや~、やっぱり自分の娘は可愛いな~」
「イケア効果じゃない?」
本サイトで紹介している用語一覧は以下です。