人食いワニのパラドックス:自己矛盾で何もできなくなる?(知的な小話14)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

人食いワニのパラドックスとは

人食いワニのパラドックスとは、イギリスの数学者ルイス・キャロルが創作した、自己矛盾に関する逆説です。

人食いワニが子供を人質にとり、その母親に「自分がこれから何をするか言い当てたら子供を食べないでやろう。ただし間違えた場合は子供を食べる」と言いました。

これに対し、母親は少し考え、「あなたはその子を食べるでしょう」と答えます。

この時、ワニは子供を食べようとすると、母親に何をするか当てられたことになるので、子供を食べることができません。

また、子供を食べまいとすると、母親の予想は外れたことになり、子供を食べることになる、という矛盾に直面します。

結果としてワニは何をしても自分の行動に矛盾が生じてしまうため、何もできなくなってしまうのです


こうしたパラドックスは自己言及のパラドックスと呼ばれます。

自分自身について真偽を当てはめようとすることで、真偽が永久に定まらず、無限ループしてしまうことがあるのです。

例えば、「この文章は嘘である」という一文も自己言及のパラドックスを含んでいます。

この一文が「真実」だとすると、そのまま「この文章は嘘である」という文章は誤りになります。

しかし、この一文が「嘘」だと仮定しても、「この文章は嘘である」という一文は「真実」になってしまうため、「嘘」だとも言い切れません。

よって、どちらと仮定しても矛盾してしまうため、「この文章は嘘である」という一文の真偽は永遠に定まらないのです。


その他の例を挙げると「貼り紙禁止」と書いた貼り紙も自己言及のパラドックスの一種と言えます。

また、全知全能の神は存在しえないとする、全知全能のパラドックスも、以下記事で紹介していますので興味のある方は読んでみてください。

解説

似たような話として、死刑に関する有名なクイズがあります。

昔、ある王国で、罪人が捕まりました。

この王国では、いかなる理由があろうと、殺人者は死刑と決まっています。

罪人は、生まれながらに貧乏で、生きるために強盗を働き、その過程で人も殺めてしまっています。

そんな罪人の境遇を哀れに思った国王は、罪人に「死刑を免除する訳にはいかないが、せめて好きな死に方を選ばせてやろう」と言いました。

罪人は少し考え、ある答えを国王に伝えて、生き延びることに成功しました。

罪人は何と言ったのでしょうか?


少し考えてみてください。

答えは下の方に記載してあります。

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・・・

・・・

答えは、「老衰で死にたいと伝える」というものです

「好きな死に方を選ばせてやる」と言った手前、国王はどんな死に方でも受け入れなくてはなりません。

もちろん、寿命による老衰も立派な死に方の一つです。

結果として、罪人は無事に余生を楽しみ、寿命まで生き延びることができたのです。

日常会話での使用方法

「正直に言ったら怒らないから本当のことを言いなさい!」

「絶対ワニのパラドックス無視して怒るじゃん」

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