『黒いマヨネーズ』に学ぶギャンブルと期待値(ギャンブルで負けないためには?)

お笑いコンビ「ブラックマヨネーズ」の吉田敬さんが書いたコラム『黒いマヨネーズ』を読みました

独自の視点で世の中の様々な事象を切り取り、自身の考えを表明している素晴らしい本でした。

非常に共感できる意見があったり、首をかしげたくなるような意見があったりもしましたが、総じて非常に楽しく読ませていただきました。

ここでは、特に「ギャンブル論」という章から、吉田氏の考え方を取り入れつつ、ギャンブルに対するあるべき姿勢について紹介しようと思います

ギャンブルには2種類ある

吉田氏は『黒いマヨネーズ』の中で、このように書いています。

僕はもう20年以上、ギャンブルをしています。芸人を目指す前から。といっても運や流れだけのあまり目に見えないもの頼りのギャンブルじゃなく、公営ギャンブルやパチンコなど、自分の力で何とかなりそうな気がする方のギャンブルを。

ギャンブルは以下の2種類に分けることができます。

①運のギャンブル
②実力が介在するギャンブル



①運のギャンブルは例として、ルーレットや宝くじ、サイコロの出目で勝負するチンチロリン、などが挙げられます。

実力が介入する要素は無く、お金を賭けたらそれ以降は神頼みで、天に祈って結果を待つしかありません。

ギャンブルの神様の気分次第で、たまたま勝てることもありますし、たまたま負けることもあります


②実力が介在するギャンブルとは、ポーカーや麻雀、競馬など、自分の頭で計算して勝負をするギャンブルです。

吉田氏の言う「自分の力で何とかなりそうな気がする方のギャンブル」はこの実力が介在するギャンブルと言えます。

自身の脳でしっかり考えて、試行錯誤することで、勝率を上げることのできるものがこれに当てはまります。

もちろんギャンブルなので、時の運によっては勝つことも負けることもあります。

しかし、その勝率をある程度自分の能力でコントロールできるのが、②の実力が介在するギャンブルなのです

ちなみに、ポーカーや麻雀、競馬なども、何も考えずにただお金を賭け続ければ、①の運のギャンブルに成り下がります。

ギャンブル必勝法は期待値にあり

ギャンブルの必勝法を論じる際、「期待値」という概念は必ず知っておかなくてはなりません。

念のため解説しておくと、期待値とは起こりうる全ての結果に、確率変数による重みを付けた加重平均です。

例えば、サイコロの目は「1~6」であり、全ての目が出る確率はそれぞれ「1/6」であるため、サイコロを1回振った時の出目の期待値は、以下の計算式から「3.5」になります。

サイコロを1回振ると、大体「3.5」ぐらいの値が出るのが普通と言えます。

つまり、2つのサイコロを振った時の合計で最も出やすい目は「3.5+3.5」で「7」であることがわかります。


ギャンブルにおける期待値とは、掛け金に対して、返ってくると予想される金額の割合と言えます。

例えば、ジャンケンをして勝ったら1万円、あいこなら2000円、負けなら0円という勝負があったとすると、このギャンブルで得られる見込みの金額は、4000円となります。

つまり、このギャンブルの参加費が4000円未満であれば、儲かる可能性の方が高くなり、期待値は「1以上」であるということになります。

期待値が「1以上」であれば、手元のお金が増える確率の方が高くなるのです。

例えば、参加費が2000円だった場合、期待値は「4000÷2000」で期待値は「2(=200%)」となり、賭けた金額が2倍になる美味しい話だということになります。

もちろん1回この勝負に参加した場合に得られる金額の平均が4000円というだけなので、実際はジャンケンに負けてしまい、損をしてしまうという可能性もあります。

しかし、確率は収束するため、このジャンケンを何回もすれば、いずれ金額はプラスに転じます。

また、この勝負単体では負けてしまったとしても、期待値に則った正しい勝負を続けていれば、別の回では勝つことができ、長期的には勝者になることができるでしょう


①の運のギャンブル(ルーレットや宝くじ)には、必勝法はありません。

どうやっても期待値は常に一定であり、胴元(カジノや宝くじの販売元)が収入を得なければならないために、常に期待値は「1未満」に設定されています。

吉田氏もコラムの中で以下のように述べています。

「勝つ」と「勝ち続ける」は違います。

ここでいう「勝つ」は期待値を考えずに勝負をして、運が良かったために偶然お金を得ることで、「勝ち続ける」は期待値が「1以上」であることを見極めた上で勝負をして、お金を得ることです。

期待値が「1未満」の勝負でたまたま「勝つ」ことに意味はありません。

その回だけでは勝つことができても、長期的な目線では負けることが目に見えているからです。

そのような短期的で偶然の勝利ではなく、しっかりと期待値を見極めたうえで「勝ち続ける」ことがギャンブルにおいて最も重要な姿勢なのです。

期待値が1を超えていることを見極めた上で勝負に参加することが、ギャンブルの必勝法と言えるでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です