抜き打ちテストのパラドックス:抜き打ちテストはあり得ない?(知的な小話13)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

抜き打ちテストのパラドックスとは

抜き打ちテストのパラドックスとは、抜き打ちテストをいつ行われるのか全く予想ができないものと仮定すると、抜き打ちテストは不可能であるとの結論に行きつくという逆説です。

学校の先生が、抜き打ちテストを翌週の月曜から金曜のいずれか1日に行うと宣言したとします。

抜き打ちテストは、テストがいつ行われるかわからないものであるとの前提のもと、テストの実施日を予想します。

まず、金曜日にテストがあると仮定すると、月曜から木曜にテストがないことから、木曜日の夜には金曜が抜き打ちテストの日だと予想されてしまうので、金曜日はあり得ません。

次に、木曜日にテストがあると仮定すると、同様に水曜日までテストがないことから、水曜の夜の時点で木曜か金曜がテストの日だと予想されてしまいます。

そして、先ほどの議論から金曜はあり得ないので、木曜だと予想されてしまいます。

よって木曜もあり得なくなります。

同様の手順で推理をしていくと、水曜、火曜、月曜にも抜き打ちテストができなくなってしまうのです。

よって、全ての曜日で抜き打ちテストが行われることはないという結論になります

しかし、その一方で、全ての曜日の可能性が消えることで、逆にどの曜日にテストが行われるかわからなくなってしまうという逆説が発生するのです

パラドックスの種明かし

このパラドックスの原因となる「どの曜日にも抜き打ちテストは行えないはずだ」という予想は一見正しいように思えます。

しかし、この結論に至る推論の過程に、重大な誤りがあります。

このパラドックスでは、推論の過程で、抜き打ちテストという言葉を「曜日ごとに、その時点でどの曜日にテストが行われるかわからないもの」としています。

抜き打ちテストの実施日が金曜日だと仮定した場合に、金曜日にテストが行われることがあり得ないという結論が導き出されることは正しいでしょう。

しかし、その後に、テストの実施が木曜だと仮定した場合に、金曜日がテストの実施日だと仮定した際に導き出された上記の結論(=金曜日にテストは無い)を用いて、木曜日と金曜日にテストが行われることがあり得ないとしている点は誤りです。

テストが金曜日だった場合という仮定と、テストが木曜日だった場合という仮定が両立することはあり得ません。

つまり、別の仮定によって導き出された結論を、そのまま別の仮定に利用して推論を続けていることがこのパラドックスの原因なのです。


ちなみに、抜き打ちテストを出題する先生は、抜き打ちテストという言葉を「テストを宣言した時点でどの曜日にテストが行われるかわからないもの」という意味で使っています。

そのため、テストの宣言時には何曜日にテストが行われるのか予測不可能であるため、本来の意味での抜き打ちテストは存在します(例えば急に水曜日にテストが行われたとしたら予測不能です) 。

全曜日楽チンの法則

抜き打ちテストのパラドックスを応用すれば、つらい平日も楽な気分で切り抜けることができます。

普通の社会人にとっては、土曜日と日曜日が楽しみで、月曜日から金曜日は嫌な仕事の日という扱いでしょう。

しかし、翌日が楽しい土曜日である金曜日は、良い気分で仕事ができるという人が多いと思います。

つまり、仕事の日でも、翌日が良い日であれば、その日も良い日であると考えることができるのです。

よって、翌日が土曜日の金曜日は良い日だということになります。

この考えを続けていけば、良い日である金曜日の前日の木曜日も良い日ということになり、その木曜日の前日である水曜日も良い日だということになります。

こうした考えは月曜日まで続けることができ、全ての曜日が良い日だということになるのです。

日常会話での使用方法

「先週抜き打ちテストの予告があったが、パラドックスにより実施は不可能なはずだ」

「いや、普通に今日テストやるぞ?」

漫画でおさらい



本サイトで紹介している用語一覧は以下です。



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