ロールシャッハテストとは?インクの模様を使う心理検査の仕組み

左右対称のインクの模様を見て、「これは何に見えますか」と尋ねられる。ロールシャッハテストは、そんな課題を使う心理検査です。見えたものの名前一つから、性格を言い当てるクイズとは、仕組みが異なります。

ロールシャッハテストとは

ヘルマン・ロールシャッハが1921年に発表した、10枚のインク図版を使う検査です。自由な回答ができる課題への反応を観察し、決められた方法で記録・評価します。R-PASの開発者による説明でも、知覚や言語による応答、課題での行動を観察する評価として紹介されています。R-PASマニュアル・第一章

紙を二つ折りにして作った任意の模様が、すべてロールシャッハテストになるわけではありません。検査で使う図版、実施の手順、記録と評価の方法が関わります。

「何に見えたか」だけを聞くのか

何に見えたかに加え、模様のどの部分を見たのか、どんな特徴からそう感じたのかなど、回答のあり方を検討します。形、色、位置といった手がかりや、応答の仕方が関わるため、単語を一つ抜き出して意味を決めるものではありません。ロールシャッハテストに関するFAQ

説明用に、検査とは無関係な雲の例を考えてみましょう。二人が「鳥に見える」と答えても、一人は全体の輪郭を、もう一人は小さな部分の形を見ているかもしれません。同じ名前でも、見方は異なります。

この雲の例から性格を判定できるわけではありません。回答の言葉と、回答が生まれた手がかりを分けて見るための例です。

質問紙と、課題への反応の違い

「私は人と話すのが好きだ」といった質問に答える方法では、本人が自分をどう捉えているかを知る材料が得られます。一方、ロールシャッハのような課題では、目の前の曖昧な刺激に対して、実際にどう応答するかを観察します。課題による評価と自己報告について

どちらかが、常に相手より正しいという意味ではありません。「自分について話すこと」と「特定の課題で示すこと」は違う種類の情報です。評価の目的に合わせて、得られた情報を考える必要があります。

心理クイズとの違い

比べる点理解するためのポイント
刺激自由に選んだ画像ではなく、検査用の図版を使う
実施その場の思いつきだけで進めず、一定の手順を用いる
記録回答の内容だけでなく、どのように答えたかも扱う
評価評価方法と研究の裏づけを踏まえて検討する

「動物に見えたから優しい」「怖いものに見えたから病気」という短絡的な対応表では、検査の考え方を捉えられません。答えの内容だけを見て、自分や他人に診断名を付けることもできません。

科学的な妥当性を考えるには

ロールシャッハを使う評価にも、実施や採点、解釈の方法の違いがあります。R-PASの開発者は、検査者間の手順の違いや、解釈と研究上の証拠が一致しない問題などを、改善の課題として挙げています。R-PAS開発で検討された課題

そこで「有効か無効か」という大きな問いだけでなく、「どの評価項目が」「どんな対象で」「何の判断に役立つか」を確かめるほうが具体的です。同じ検査名のもとでも、すべての解釈に同じだけの裏づけがあるとは限りません。

検査の説明を受ける場面では、何を調べるために行うのか、結果はどんな情報と合わせて考えるのか、意味をどう説明してもらえるのかを尋ねることができます。

曖昧な形の見え方に興味があるなら、シミュラクラ現象へ。知覚の現象と、専門的な心理評価は、それぞれの目的を分けて考えると理解しやすくなります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です