シミュラクラ現象とは?コンセントや雲が顔に見える「パレイドリア」

コンセントが驚いた顔に見える。車の前面が怒って見える。雲の中に人の横顔を見つける。顔ではない物に顔を感じる現象は、顔のパレイドリアと呼ばれ、日本語では「シミュラクラ現象」という呼び名でも紹介されます。

目と口らしい配置だけで、顔が現れる

二つの点を横に並べ、その下に一つの線を置く。それだけで顔に見えることがあります。顔を構成する細部がそろっていなくても、配置が手掛かりになるわけです。

ただし、点が三つあれば必ず顔になるという規則ではありません。三つを一直線に並べた図形と、目と口らしく並べた図形では印象が変わります。周囲の輪郭や、見る向きも手掛かりになります。

一度顔に見えると、「これはコンセントだ」と分かっていても、顔らしさが消えないことがあります。物だと分かることと、顔として感じることが、同時に起きるところが面白い点です。

顔らしい物にも、表情を感じる

シドニー大学の研究では、物に見える顔と本物の顔を混ぜて示し、表情の評価を調べています。前に見た顔が次の表情判断に影響する傾向が、顔らしい物と本物の顔の間でも見られました。研究者は、両者に共通する表情処理の働きを示す結果として説明しています。研究者による顔のパレイドリアの解説

「目に似た点を見つけた」というだけでなく、その顔が何を感じていそうかまで読んでしまう。街中の顔らしい物を集めると、笑っている顔、眠そうな顔、困った顔などが見えてきます。

顔文字は、どこを変えると印象が変わる?

同じ括弧の中でも、記号の配置で表情は変わります。次の例を比べてみてください。

  • (・_・):目と口が小さく、落ち着いた印象。
  • (・o・):口が開き、驚いているような印象。
  • (^_^):目の形が変わり、笑っているような印象。

これらは、簡単な記号による表現例です。どれをどう感じるかには違いがありますが、目と口の関係だけでも印象を作れることが分かります。文字を顔の部品に見立てると、少ない要素で表情を伝えられます。

写真に顔が見えたら、何を確かめる?

暗い写真の木や壁に顔が見えた場合、「顔に見える」と「実際に人が写っている」を分けて考えてみます。明るい元画像はあるか。反射や影が、目や口に見えていないか。切り抜く前の周囲はどうなっているか。

顔らしさだけでは、その写真に何が写ったかは決まりません。また、すべての不思議な写真を一つの現象だけで説明できるわけでもありません。見えている特徴から、考えられる説明を比べるのが出発点です。

アイコンやゲームのキャラクターにも生かせる

顔を小さく表示するアイコンでは、細かな鼻や眉を足すより、目と口の位置を調整した方が印象を変えやすい場合があります。小さいサイズで、輪郭と配置がどう見えるかを確かめてみましょう。

ゲームの背景に窓や穴を並べる場合も、意図せず顔に見えていないかを確認できます。怖い場面なら演出になり、静かな場面なら注意を奪うこともあります。何に見えてほしいのかから、要素の位置を選ぶとデザインの意図が伝わりやすくなります。

文字の読み取りの不思議は、タイポグリセミアの記事でも紹介しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です