ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
テーゼとは
テーゼとは、哲学用語として使われる言葉で、証明されるべき「命題」を意味します。
議論や討論によって真偽を問うような性質を持つものであれば何でも良く、例としては「日本は死刑制度を廃止すべきだ」「ペットとして飼うならイヌよりネコだ」といった主張が挙げられます。
そうした命題に対して、反論や検証を繰り返し、正しい答えを導き出そうとする方法をアウフヘーベンと呼んでいます。
アンチテーゼとは
テーゼに反対するような主張をアンチテーゼと言います。
「日本は死刑制度を廃止すべきだ」のアンチテーゼは「日本は死刑制度を廃止すべきでない」となり、「ペットとして飼うならイヌよりネコだ」のアンチテーゼは「ペットとして飼うならネコよりイヌだ」となります。
アンチテーゼの存在は、テーゼが正しいかどうかを検証することに役立ちます。
アンチテーゼと比較をすることや、アンチテーゼの意見を取り入れることで、元の命題より良い主張へと進化させることができます。
議論を活性化させるために、議論の中でアンチテーゼが存在しない場合に、あえてアンチテーゼの主張を行う役割を、悪魔の代弁者と言います。
ジンテーゼとは
ジンテーゼは、テーゼとアンチテーゼの内容を統合して進歩させた、より優れた意見を指します。
「ハンバーグ屋に行くべきだ」というテーゼと「海鮮丼屋に行くべきだ」というアンチテーゼが対立している時、ハンバーグも海鮮丼も食べられる「ファミリーレストランに行くべきだ」というのがジンテーゼということになります。
ジンテーゼが生まれると、その瞬間にジンテーゼに対する新たなアンチテーゼも生まれることになります。
そして、そこから生じる対立を解消する新たなジンテーゼを生み出していくという過程を無限に繰り返すことで、より良い結論を生み出すことこそが、弁証法の目的です。
日常会話での使用方法
「今日は焼肉を食べたい気分だけど、何かアンチテーゼはあるかい?」
「焼肉は良いけど、お前が気に食わん」
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