ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
シナスタジアとは
シナスタジアとは、ある刺激に対して、通常とは異なる刺激を同時に感じ取ることができるという特殊な知覚現象を指します。
日本語で共感覚とも呼ばれます。
例えば、通常は聴覚で感じるはずの音を「聞いた」時に、音に色がついて視覚的に「見える」という人が実在します。
女性の高い声による声援を「黄色い声」と例えることがあるように、刺激を別の種類の知覚と結びつける習慣は昔からありますが、シナスタジアはそれとは異なります。
また、共感覚者が感じる別の種類の知覚は共通している訳ではなく、ある共感覚者が感じた音に対する色は、別の共感覚者が同じ音に対して感じた色とは異なる場合もあります。
シナスタジアは神経系の病気としてみなされることもありますが、日常生活を送る上で支障は特に存在しないため、治療がされることは少ないです。
共感覚の具体例
保有者の割合の多い共感覚の事例を挙げてみます。
文字に色が見える
共感覚者の中で最も多い事例とされているのが、平仮名やアルファベットなどの文字に色が見えるというケースです。
形が異なる文字でも、読み方が同じ(「あ」と「ア」)であれば同じ色だと感じる人がほとんどであることから、音に対して色を感じていることがわかります。
ちなみに、「文字の意味」と「文字の色」のように、同時に目にする2つの情報が異なる場合、混乱を生む現象をストループ効果と言います。
数に色が見える
文字とは別に、数字の大きさに色が見える共感覚者も存在します。
「3」と「三」と「スリー」は同じ色に見えるように、文字の読み方ではなく、数の大きさによって見える色が決まります。
「人間計算機」とも呼ばれるドイツ人のリュディガー・ガムは、数字から得られる触感を頼りに、階上の計算(52の13乗など)を瞬時に行うことで有名です。
また、爆笑問題の田中裕二も、数字に対して立体的な感覚を得られることが研究者によって証明されています。
人の姿に色が見える
この事例は科学的に検証されたわけではありませんが、人の姿や性格に対して色が見えると主張する人も存在します。
スピリチュアルの分野でしばしば使われる言葉であるオーラと同一視されることもあります。
オーラが見える占い師と聞くと胡散臭い印象を覚えてしまいますが、もしかしたら特殊な共感覚者であるかもしれないと考えれば、少しは信頼に値するのかもしれません。
日常会話での使用方法
「テストで0点を取ってお先が真っ暗だ」
「それは共感覚ではないな」
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