ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
シンクロニシティとは
シンクロニシティとは、スイスの精神科医であるカール・ユングが提唱した、意味のある偶然の一致を指す言葉です。
本来なら因果関係の無いような事柄が、偶然に意味を持って発生することがシンクロニシティに当てはまります。
例えば、上司の悪口で盛り上がっていたら、たまたま上司が通りかかった場合や、交通事故に遭う夢を見た翌日に実際に事故に遭ってしまった場合などは、シンクロニシティだと言えます。
当然、悪口を言うことと上司が現れることに因果関係はありませんし、夢の内容と実際の自己も因果関係はありません。
しかし、たまたまそれが同時に発生すると、特別な意味を持っているように感じてしまいます。
こうした偶然の一致をシンクロニシティと呼んでいます。
日本語では「共時性」や「同時発生」と呼ばれます。
シンクロニシティは正しい因果関係を見失う前後即因果の誤謬の一種だと言えます。
前後即因果の誤謬とは、ある出来事が起こったことに対して、ただの時系列的な前後関係を原因と結果の関係だと誤解してしまうことを指します。
シンクロニシティは偶然じゃない?
しかし、ユングは、こうしたシンクロニシティは偶然ではなく、集合的無意識によるものだと考えました。
集合的無意識とは、個々の人間の意識は無意識の部分で共通しているという考え方です。
こうした共通の無意識で繋がっているからこそ、部下は上司が通りかかるタイミングで悪口を言いたくなり、上司は悪口を言っている部下の近くを上司が通りたくなったのかもしれないのです。
少しオカルトチックですが、興味深い考え方です。
「ウワサをすれば影」「むしの知らせ」「師は、必要なときに現れる」といった言葉があるように、 シンクロニシティは昔から多く発生していたことがわかります。
好きな相手のことを考えていたら、たまたまその相手が現れたような場合、もしかしたら相手も自分のことを考えていたのかもしれないと考えると日々が楽しくなりますね。
日常会話での使用方法
「ごめん! 電車の遅延で1時間遅刻だ!」
「俺も寝坊で1時間遅刻だ!」
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