サブリミナル効果:禁止になるほど強力な広告手法とは?(知的な小話128)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

サブリミナル効果とは

サブリミナル効果とは、意識と潜在意識の境目に刺激を与えることで表れるとされる心理効果です。

映像の合間に、人間が気付くことのできないほどの一瞬だけメッセージを表示させると、視聴者の深層心理に影響を与えることがあるとされています。

アメリカの市場調査員であるジェームズ・ヴィカリーは、映像内に視聴者が知覚できないほどの一瞬だけ、「コーラを飲め」や「ポップコーンを食べろ」というフレーズを何度も流すことで、コーラとポップコーンの売上を伸ばすことに成功したという報告をしています。

ヴィカリーは後に、この調査は世間の注目を惹くための嘘であったと告白しているのですが、この発表はサブリミナル効果という現象を広める大きなきっかけとなりました。

現在は、映画やテレビ放送などではほとんどの場合、人が知覚できない広告手法はアンフェアだとの考えから、サブリミナル効果を利用した広告の使用は禁止されています。

過去に日本でも問題になった?

過去に日本の放送各局は、サブリミナル効果を演出や悪戯として取り入れていました。

1989年に日本テレビが放送した『シティハンター3』の再放送で、オウム真理教の代表である麻原彰晃の顔が1フレームだけ映っていたことが明らかになっています。

また、1995年にTBSで放送されたオウム真理教に関する番組でも、麻原彰晃の顔などが無関係な場面で何度も挿入されていたことがわかっています。

こうした演出はオウム真理教による地下鉄サリン事件をきっかけに問題視されるようになり、日本テレビ・TBSともに、視聴者が知覚できない映像を使用したことはアンフェアだったと謝罪をしています。

性的なメッセージで商品が魅力的に見える?

サブリミナル効果には、映像を一瞬だけ差し込むという手法だけでなく、広告の中に性的なメッセージを隠し、自社の商品を魅力的に見せるという手法も存在します。

普段「性」は無意識下に抑圧されている欲求であるため、たとえ人が気付かないような内容でも、性的な描写を含むイラストは人々の注意や記憶に大きな影響を与えると考えられています。

以下はコカ・コーラ社の広告で、氷の中を拡大してみると、女性が何かを加えようとしている絵が隠されていることがわかります。

本当に効果があるのかは定かではありませんが、世界有数の大企業が本気でこうした手法を取り入れていることは興味深いですね。

日常会話での使用方法

「なんだか急にコーラとポップコーンがほしくなってきたな。サブリミナル効果か?」

「デブ、うるさいぞ」



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