ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
スリーパー効果とは
スリーパー効果とは、信ぴょう性の低い情報源から得た情報でも、時間が経つうちにその情報源の怪しさが薄れてしまい、信頼できる情報であると勘違いしてしまう現象です。
TwitterなどのSNSや、怪しいネットニュースで得た芸能ゴシップを、時間が流れる間にあたかも正しい情報だと思い込み、他の人に話してしまっているような場合、スリーパー効果が発生していると言えます。
情報の内容だけが残り、情報源の信頼性が埋もれてしまう様子から、スリーパー効果(sleeper:眠っている人)と名付けられています。
実験による証明
スリーパー効果は、アメリカの心理学者であるカール・ホブランドの実験により証明されています。
ホブランドは学生を2つのグループに分けて、処方箋の是非についての意見が書かれた記事を読ませました。
読んだ記事の内容はどちらのグループも同じですが、片方のグループには、それ医学専門雑誌(信頼性の低い情報)の記事であると伝え、もう一方のグループには大衆雑誌(信頼性の低い情報)の記事であると伝えました。
記事を読ませた直後に、記事の内容を受けて自分の意見を変えたかを尋ねると、医学専門雑誌による情報だと聞かされたグループでは23%の人が意見を変えたと答え、大衆雑誌による情報だと聞かされたグループでは7%の人しか意見を変えませんでした。
このことから、当然のことながら、人間は信ぴょう性の低い情報源から得た情報は信頼しづらい傾向にあることがわかります。
しかし、実験から4週間後にもう一度2つのグループに意見を変更するかを尋ねた結果、医学専門雑誌と聞いたグループでは意見を変える人が減り、大衆雑誌と聞いたグループでは意見を変える人の割合が減ったことで、結果的に2つのグループの意見を変える人の割合はほとんど同じになってしまったのです。
このように、はじめは情報ソースの信ぴょう性によって自分の考えを変えていた人でも、時間が経つにつれて、情報の信頼度は忘れ、情報の中身だけを記憶してしまうのです。
そのため、怪しい情報はできるだけ見たり聞いたりしないようにしておくことが重要です。
日常会話での使用方法
「黒柳徹子って200年生きてるらしいよ」
「スリーパー効果があるから、嘘の情報を聞かせないでくれ!」
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