後知恵バイアス:後からなら何とでも言える?(知的な小話102)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

後知恵バイアスとは

後知恵(あとぢえ)バイアスとは、始まる前は予測困難なことでも、結果が明らかになってから、それは予測可能であったと考えてしまう人間が持つ心理的な傾向です。

例えば競馬でレースが始まる前は予想ができなかった結果も、終わってみると「やっぱりあの馬が勝ったか」と考えてしまうような場合、後知恵バイアスに陥っていると言えます。

物事が起きる前は様々な可能性を考慮しなければなりませんが、既に起こって事態が確定した後は、そうした不確定要素は無くなり、結果だけがシンプルに残ります。

そのため、人は確定事項については簡単に予測できたように錯覚してしまうのです。

結果論に騙されるな

要するに後知恵バイアスは「後からなら何とでも言える」ということを示しており、こうした錯覚は結果論による誤った判断の原因となります。

勇敢なギャンブラー?

例えば、借金で破産寸前まで追い込まれた男がカジノへ行き、残りの全財産で大勝負をし、勝ったとします。

結果だけ見ると、この男は勇敢なギャンブラーであり、見事に人生を逆転した成功者だと評価できます。

しかし、実際は全財産をギャンブルに賭けて勝つ確率は極めて低く、男が取った行為は褒められたものではありません。

たまたま勝ったから良かったものの、ほとんどの確率で男は全ての財産を失っていたでしょうし、本来ならばこの勝負はすべきではありませんでした。

そのため、この男を素晴らしい勝負師だと評価するのは結果論による誤った判断であり、後知恵バイアスに陥っていると言えます。

正しくは、確率に左右される結果ではなく、結果が起きる前の時点のプロセスによって評価を行わなくてはなりません。

敏腕マネージャー?

ビジネスの世界において、プロジェクトマネージャーが成功確率の低い仕事を引き受け、必死の思いでプロジェクトを成功させたとして、そうした行為は評価されるべきではありません。

難しいプロジェクトを成功させたという結果だけ見ると、素晴らしいことのように思えますが、これも後知恵バイアスによる結果論に過ぎません。

本来ならば、そうした成功する望みの薄い仕事は引き受けず、会社に損失を与えるリスクを回避することの方が優先されるべきです。

失敗する確率の方が高いプロジェクトなど、最初から始めない方が良いのです。

日常会話での使用方法

「ほらー、さっきの道やっぱり曲がった方がよかったじゃん」

「そんなの後知恵バイアスだよ」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です