ピグマリオン効果:褒めて伸ばすは正しい?(知的な小話59)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

ピグマリオン効果とは

ピグマリオン効果とは、教師の期待によって学習者の成績が向上するという教育心理学の効果です。

サンフランシスコの小学校で、教師の期待値の教育効果への影響について、実験が行われました。

1つの学級を担当する担任に、ランダムに選ばれた児童の名簿を見せて、この名簿に記載されている児童が、今後数ヶ月の間に成績が伸びる子供達だと伝えました。

その後、学級担任は、その名簿に載った無作為に選ばれた子供達の成績が向上すると思い込み、無意識に期待を持ちつつ授業を続けます。

その結果、無作為に選ばれた名簿に載った生徒の成績は、他の生徒と比べて大きく向上したのです。

子供達も期待されていることを意識するため、成績が向上していったと主張されています。

「褒めて伸ばす」という手法は正しかったということになります。

私はある有名な学習塾で子供向けに授業をしていたことがありますが、その時はひたすら子供を褒めながら授業をするよう、指示を受けていました。 

実際、厳しく叱りながら授業をする場合よりも、生徒も自主的にやる気を出して勉強していたように感じます。

ゴーレム効果

ピグマリオン効果とは逆に、教師が期待をしないことで、学習者の成績が下がる効果を、ゴーレム効果と言います。

「あなたはダメな生徒だ」「何でこんな問題もわからないんだ」といった言葉を言い続けると、本当に生徒の成績が下がってしまうのです。

ゴーレム効果を働かせず、ピグマリオン効果によって成績を伸ばすためには、失敗したことを貶めるようなネガティブな言葉ではなく、期待していることを伝えるポジティブな言葉を生徒に伝えることが重要です。

恥とピグマリオン効果

ピグマリオン効果が発生する理由の1つは、恥という感情に起因すると考えられます。

テストで悪い点を取った時、道端で転んだ時、裸を見られた時など、人は様々な場面で恥ずかしさを感じます。

こうした恥ずかしいという感情がなぜ生まれるのか、疑問に思ったことはありませんか?

人は、自分の思う「普通の姿」と異なる振る舞いをした場合に、恥を感じます。

普通に道を歩いている姿とのギャップにより、道で転んでしまった場合に恥ずかしさを感じますし、服を着て日常生活を送っている姿とのギャップにより、裸を見られた場合に恥ずかしさを感じます。

ピグマリオン効果は、人間のこうした性質によって発生します。

教師が生徒に期待を続けることで、生徒にとっての普通の姿は、勉強のできる優秀な生徒ということになります。

そのため、生徒は恥ずかしい思いをしないよう、教師の期待に応えるパフォーマンスを発揮するようになるのです。

日常会話での使用方法

「あなたは本当にダメな生徒ね」

「ピグマリオン効果を信じて褒めて伸ばしていただきたい」

2 Replies to “ピグマリオン効果:褒めて伸ばすは正しい?(知的な小話59)”

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