ジェームズランゲ説:なぜ悲しくないのに涙が出るの?(知的な小話72)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

ジェームズランゲ説

ジェームズランゲ説とは、アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズとデンマークの心理学者カール・ランゲによる、生理学的反応が感情の自覚よりも先に起こるという仮説です。

悲しくて涙が出てしまうという状況を例に考えてみます。

私たちは通常、人間はまず悲しい気持ちになり、その後に涙が出ると考えています。

しかし、ジェームズランゲ説では、涙が出るという生理学的変化が先に起き、その後で悲しいという感情が発生するとしています。

「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ」という言葉に象徴されます。

生理学的な興奮を恋愛感情と勘違いしていまう「吊り橋効果」も、この説を支えると言えます。

笑う門には福来る

「笑う門には福来(きた)る」は昔からあることわざですが、ジェームズランゲ説の観点から考えても有用かもしれません。

人は通常、楽しい時に笑いますが、ジェームズランゲ説によると、先に笑うことで、楽しいという感情が生まれます。

そのため、普段から嘘でも大袈裟に笑うことで、日々を楽しい感情で生きることができます。

日ごろから笑顔でいることで、自分も周囲の人も気分良く生きることができるのです。

まさに「笑う門には福来る」と言えます。


また、笑いによる感情への効果は科学的にも証明されています。

人間にストレスを感じさせるコルチゾールというホルモンが存在します。

笑いはこのストレスホルモンの分泌を抑えることで、心身ともにリラックスして安定した状態に保つ効果を持っています。

笑いには、その他にも脳の血行が良くなったり、免疫力が向上したりなど、様々な効果があります。

人を笑わせることが仕事であるコメディアンは、何も生み出さないと批判されることもありますが、人間が良く生きるために最も貢献している職業なのかもしれません。

その他の説

ジェームズランゲ説では、感情が生成される要因として、生理的な反応を挙げていますが、その他の説もあります。

例えば、キャノンバート説では、私たちの直観通り、感情が生成されてから、生理的な反応が起こるとしています。

悲しいという感情を自覚してから涙が出る、という順序です。


どの説が正しいかの結論は出ていませんが、恐らく人間の感情はそう単純なものではなく、複数の要因によって生じているものでしょう。

「感情→生理学的反応」という順序の場合もあるでしょうし、「生理学的反応→感情」という順序の場合もあると思います。

日常会話での使用方法

「悲しくないのに涙が出るのはジェームズランゲ説によるものかな」

「それはちょっと違くね」

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