ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
親殺しのパラドックス
親殺しのパラドックスとは、タイムマシンで過去に戻ることは不可能であることを示すためにしばしば取り上げられる例え話です。
近い未来、タイムマシンが開発され、過去に戻ることが可能になったとします。
そしてタイムマシンで過去に戻り、自分の父親が母親と出会う前に、父親を殺してしまいます。
そうなると、父親と母親は結婚しなくなり、自分は生まれないことになります。
その結果、自分は存在しなくなり、父親を殺す存在はいないことになります。
そうなれば、父親は自らの子供に殺されることもなくなり、自分はやはり生まれることになります。
すると、再び自分は過去に戻り、父親を殺すという流れになり、こうした考えが無限に続くことになります。
こうした矛盾が生じることから、過去に戻るタイムトラベルは不可能だと考える人が多いです。
ですが、このような矛盾を解消するための考え方もいくつかありますので、紹介したいと思います。
ノヴィコフの首尾一貫の原則
ノヴィコフの首尾一貫の原則とは、時間線はただ一つであり、過去に遡ったとしても、過去を改変するような行為はできないとする考え方です。
例えば、交通事故で死んでしまった友人を助けるために過去に戻ったとしても、事故を阻止することはできず、結局友人は事故に遭ってしまうことになります。
この考え方であれば、親殺しのパラドックスは発生しません。
過去に戻るところまではできますが、自分の父親を殺すことはできないためです。
多世界解釈
その他の親殺しのパラドックスを解決する方法として、多世界解釈という考え方があります。
多世界解釈とは、この宇宙は同時に複数が平行で存在しているという考え方です。
多世界解釈では、私たちが今生きている世界Ａとは別に、世界Ｂや世界Ｃなどが存在しており、そこにも自分と似たような存在が似たような世界の中で生きているということになります。
この考え方において過去へのタイムトラベルを行うと、自分が住んでいた世界Ａの過去ではなく、世界Ａよりも過去の時間を進んでいる世界Ｂに行くことになります。
そうすれば、世界Ｂで自分の父親を殺したとしても、世界Ａの父親から生まれた自分の存在が消えることはなく、親殺しのパラドックスによる矛盾は生じないことになります。
日常会話での使用方法
「過去に戻って今の自分を変えてやる！」
「親殺しのパラドックスで、どれだけ頑張っても君はニートのままだよ」
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