ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
返報性の原理とは
返報性の法則は、好意に対しては好意で報いるなど、人はもらいっぱなしの状態を居心地悪く感じるという心理学の現象です。
何かを与えると相手からもお返しが返ってくることから、ギフトの法則とも呼ばれます。
無料のお試しサンプルや試食、試着などをすると、それを購入しなければいけないような気がしてくるという経験は誰にでもあるでしょう。
これは、お店が自分のためにしてくれた行為に対して、何か報いなければならないという気持ちが生まれてくるためであり、返報性の原理によるものです。
試食や試着が有効な理由には、人は一貫性を好むという性質を利用したフットインザドアテクニックの影響もあります。
実験による証明
返報性の原理は、心理学者のデニス・リーガンの実験で証明されています。
被験者を2つのグループに分け、それぞれ異なるシチュエーションで2人1組になって美術鑑賞を行ってもらいます。
2人のうち1人は、サクラで実験を行う側の人間ですが、もう1人には知らせません。
美術鑑賞の休憩時間に、サクラは飲み物を買ってくるのですが、1つ目のグループの時には、自分の分だけ買ってきます。
そしてもう一方のグループの時には、自分の分だけでなく被験者の分の飲み物も買っていきます。
そしてその後、どちらのグループでも、サクラは被験者に「自分が持っている宝くじを買ってくれ」と頼みます。
その結果、飲み物を買ってもらった方のグループでは、そうでないグループの2倍もの人が宝くじを買ってくれたそうです。
この実験から、返報性の原理は、ジュース1本で相手の行動を変えてしまう程の力を持っていることがわかります。
返報性の原理の活用
返報性の原理の利用して、周りの人に何かを与え続けていると、いつか自分に返ってくるかもしれません。
例えば、仕事で自分の作業に余裕がある時に、忙しそうな同僚を手伝ってあげていると、自分が忙しくなった時にお返しをしてくれるでしょう。
また、お金に困っている友人に気前よくお金を貸してあげると、いつかその友人に助けられる場面が来るかもしれません。
このように、日ごろから周囲の人に何かを与え続けるような生き方をしていると、回りまわって自分自身に返ってきます。
ただし、返ってくることを前提に施しを与えるのは、脅迫に繋がってしまう危険があるので注意が必要です。
日常会話での使用方法
「返報性の原理を利用して、気になるあの子に高価なプレゼントをあげ続けてるんだ」
「それ利用されてるだけだよ」
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