ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
胡蝶の夢とは
胡蝶の夢とは、中国の文献である『荘子』に出てくる、夢と現実の対立を問いかける例え話です。
ある男が蝶になって空をひらひらと舞う夢をみました。
夢の中では、蝶になった自分が現実だと思い込んでいます。
しかし、夢から覚めると、人間である自分が現実だと気づきます。
ここで、人間であると自覚した現実が、本当に現実だと果たして証明できるでしょうか?
蝶になった夢を現実と思い込んでしまったように、この現実もまた夢である可能性も否定できないのです。
ちなみに、ドラえもんには、夢と現実を入れ替える「うつつまくら」というひみつ道具が登場する回があります。
のび太はこの道具を使って夢と現実を行き来するのですが、最後にはどれが現実でどれが夢なのかわからなくなってしまいます。
この回はまさに胡蝶の夢を扱ったものでしょう。
解説
オーストラリアの精神医学者であるフロイトは、「無意識」という概念を生み出しました。
フロイトは、私たちが日ごろ意識して行っている行動も、無意識の影響を受けており、それが夢や錯誤行為に表れていると主張しています。
錯誤行為とは言い間違いやうっかりミスといったことを指します。
例えば、謝罪会見などの気が進まない場面の開始の挨拶で、誤って「謝罪会見を終わります」と言ってしまうような状況は、謝罪会見をしたくないという無意識の欲望の表れです。
夢も同様に無意識の欲望が現れる場であり、夢の内容を考察することで、精神分析を行えるとフロイトは考えました。
以下の記事で占いは嘘であることを紹介していますが、夢占いは科学的であり、神秘的な意味の占いとは異なります。
ここでは、いくつか夢の種類と、その時の精神状態の例を挙げてみます。
・落下する夢
地位や名声を失うことを恐れている心理を表します。
・追いかけられる夢
追い詰められて不安や困難を感じている心理を表します。
・追いかける夢
何かを達成しようという意欲が高まっている心理を表します。
・死ぬ夢
自分の行為を許しがたいと感じ、自分を罰したいと感じている心理を表します。
日常会話での使用方法
「今日は鳥になって空を飛ぶ夢をみたよ」
「もしかしたら今の自分が人間になってる鳥の夢なのかもよ」
本サイトで紹介している用語一覧は以下です。