ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
目次
アルケーとは
アルケーとは、「はじめ・原初」といった意味の古代ギリシア語であり、哲学の文脈では「万物の根源」を指します。
古代ギリシアの哲学者は、全ての物には共通の源があり、それが何かについて考えをめぐらしました。
現代の科学では全ての物は原子から出来ており、その原子は素粒子で構成されていて、素粒子の正体はエネルギーの振動状態であることが明らかになっています。
ですが、大昔の哲学者たちはそんなことは知る由もありません。
万物の根源としてどのような物が考えられてきたのか、歴史を辿ってみます。
哲学者の考え
万物の根源は水?(タレス)
タレスは最古の哲学者と言われています。
タレスは水こそが万物の根源だと考え、この世の全ては水によって成り立っていると考えました。
この世のあらゆる生き物は水分を含んでおり、温かい温度も湿った場所から発生していることから、タレスは水が万物の根源である可能性に行き着いたのでしょう。
当然、結論としては誤っている訳ですが、「万物の根源とは何か」という問いを投げかけたという点で、哲学史上、非常に重要な役割を果たしました。
万物の根源は火?(ヘラクレイトス)
ヘラクレイトスは万物の根源は火だと考えました。
彼は自然界の全ては絶えず変化していると考えており、火こそがその変化の象徴だとしています。
ヘラクレイトスは「万物は流転する」という言葉を残したことでも有名です。
「同じ川に二度入ることはできない」という言葉は彼の思想をよく表しています。
万物の根源は数?(ピタゴラス)
ピタゴラスは数こそが万物の根源だとしています。
この世界の現象は全て数学で表すことができると考えました。
科学が発展した現代の視点から見ても、あながち間違ってはいないでしょう。
彼は三平方の定理とも呼ばれる、ピタゴラスの定理でも有名です。
万物の根源は原子?(デモクリトス)
デモクリトスは万物の根源は原子だと考えました。
彼は世界は無数の分割不可能な微小な物体によって構成されているとしています。
彼は紀元前400年頃に生きていた哲学者ですが、原子の集合と離散によって物体の性質が変わるという事実に行き着いていたというのは驚きです。
今回紹介した中で、デモクリトスは最も真実に近づいた哲学者だと言えるでしょう。
ラプラスの悪魔は、この世界の全てが原子から成り立っているとした時に生まれる、この世の未来を知る架空の生物です。
日常会話での使用方法
「超ひも理論によると、この世の全てはひもで出来てるらしいよ」
「水とか火とかの方がマシに思えるな」
本サイトで紹介している用語一覧は以下です。