吊り橋効果とは
吊り橋効果とは、カナダの心理学者、ダットンとアロンによって提唱された、人は生理的に興奮する事で、自分が恋愛していると錯覚するという心理現象のことです。
18歳から35歳までの独身男性を集め、渓谷に架かる揺れる吊り橋と揺れない橋の2か所で実験が行われました。
男性にはそれぞれ橋を渡ってもらい、橋の中央で同じ若い女性がアンケートをするという形式で話しかけました。
その際に女性は「結果などに関心があるなら後日電話を下さい」と、被験者の男性に電話番号を教えました。
結果、揺れる吊り橋の方の場合は、5割程度の男性から電話があったのに対し、揺れない橋の方の場合は、わずか1割程度の男性からしか電話がありませんでした。
この実験から、 ダットンとアロンは、人は恐怖などの興奮を、恋における興奮と勘違いしてしまうという結論を導き出しました。
デートスポットの定番として、テーマパークや映画館が挙げられるのも、心を揺さぶるような体験ができ、吊り橋効果による恩恵を受けられるからかもしれません。
免許合宿でカップルができやすいのも、初めての運転によるドキドキを、恋愛のドキドキと勘違いしてしまうためなのかもしれませんね。
ストックホルム症候群とは
吊り橋効果に似たような心理効果として、ストックホルム症候群という現象が挙げられます。
ストックホルム症候群とは、誘拐事件や監禁事件などの被害者が、犯人に対して好意的な感情を持ってしまうことがあるという犯罪心理学上の現象です。
1973年にスウェーデンのストックホルムで発生した銀行強盗事件において、人質が犯人に協力するような動きをしたことが名前の由来となっています。
この現象は、人質になった際、犯人の指示に従うことが合理的な行動であると判断されるため、起きると考えられていますが、吊り橋効果による影響も少なからずあるでしょう。
犯罪の現場というこれ以上ないほどの緊張感のある場面で、目の前に異性がいたら、最大レベルの吊り橋効果が働きます。
そうした極限状態の中で犯人と人質に連帯感が生まれ、好きになってしまったとしても不思議ではない気がします。
DVを繰り返すダメ男から離れられない女性は、ミニストックホルム症候群にかかってしまっていると言えるかもしれません。
理由もわからず、人のことを好きになってしまった時は、吊り橋効果やストックホルム症候群に騙されていないか、注意してみる必要がありそうです。
日常会話での使用方法
「今度気になる子と初デートなんだけど、どこがいいかな?」
「吊り橋っしょ」
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