ボッサードの法則とは?距離と出会いの関係、遠距離恋愛を考える視点

近くにいる人とは顔を合わせる機会が増え、短い会話もしやすくなります。ボッサードの法則として知られるのは、こうした物理的な近さと人間関係を結びつける話です。ただ、「遠くに住む恋人とは必ず別れる」という運命を告げる法則ではありません。

元になったのは、結婚する人の住所を調べた研究

ボッサードの1932年の研究は、フィラデルフィアの住民を含む、連続した5,000件の婚姻許可申請を調べたものです。二人の住所の距離を整理すると、約3分の1が5街区以内に住み、距離が遠くなるほど、その距離の組み合わせの結婚の割合が小さくなっていました。

ここで調べているのは、結婚する二人の住む距離です。婚約した人を追跡して、「遠いほど結婚にたどり着かなかった」と調べた研究ではありません。住む場所の近さが、相手との出会いや関係を考えるうえで重要な要素になり得る、という入り口になります。

近さは、関係を深める機会を作る

同じ学校、同じ職場、同じ活動に参加していると、自然に話す機会があります。用事がなくても会う場面があり、相手がどんなことを好きなのか、どう考えるのかを少しずつ知れます。

遠くに住んでいると、会うには予定を合わせ、移動の時間や費用を用意する必要があります。これは気持ちの強さとは別の負担です。「会いたい気持ちが足りない」と決めつける前に、会うための条件を見たいところです。

一方で、近くにいても会話が少なければ、相手のことはわからないままです。住所の距離と、実際にどのようなやり取りをしているかは、分けて考えられます。

単純接触効果との違い

繰り返し接することが親しみや評価に関わる現象は、単純接触効果と呼ばれます。ザイアンスの1968年の研究では、言葉や記号などへの接触と評価の関係が調べられています。

近くに住むと接触の機会が増えるので、二つは関連して語られます。ただ、住む距離の研究と、刺激への接触の研究は同じものではありません。また、会う回数だけ増やせば、どんな相手にも必ず好かれるという話でもありません。

嫌がられているのに連絡を増やすより、相手が心地よくやり取りできる頻度を知る方が、関係を考えるうえで大切です。

遠距離でも、やり取りの仕方は工夫できる

現代には、電話、文章、ビデオ通話など、離れていてもやり取りする方法があります。ジャンとハンコックの2013年の研究は、遠距離の交際で、自己開示や相手への捉え方、使うメディアが親密さにどう関わるかを調べています。距離だけで関係の満足を決める見方とは違う視点です。

例えば、毎日何回も連絡するより、話せる時間を決めて落ち着いて話す方が合う二人もいます。通話が難しい日は短い文章で知らせるなど、仕事や生活に合わせたやり方も考えられます。

連絡をした回数だけを点数にすると、義務のようになりやすいものです。「今日はこれが面白かった」「今は忙しくて、週末ならゆっくり話せる」と、状況や気持ちが伝わる内容に目を向けたいところです。

物理的な負担と、気持ちの問題を分けて話す

困っていること一緒に考えられること
会う費用が大きい移動や宿泊の負担をどう分けるか
話せる時間が合わない短い連絡と、まとまった会話の時間を分けるか
予定がわからず不安次に会う時期や、決めるタイミングを共有するか
連絡が多くて疲れる無理なく続けられる頻度を相談するか

こうした話は、恋愛だけでなく、離れて暮らす友人や家族との関係にも当てはまります。近いか遠いかを判定するより、今どんな機会があり、どんな負担があり、互いに何を望んでいるかを知る方が、次にできることが見えてきます。

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