マズローの欲求階層説:全てを手にした人が最後に求めるものは?(知的な小話159)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

マズローの欲求階層説とは

マズローの欲求階層説とは、アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローが提唱した、人間の持つ欲求を5段階に階層化したものです。

5段階の欲求は、低次のものから順に、以下の通りです。

・生理的欲求
・安全の欲求
・社会的欲求
・承認の欲求
・自己実現の欲求


5つの欲求は階層化しており、低次のものから順に現れ、その欲求が満たされると、次の高次の欲求が現れます。

それぞれどういった欲求を示しているのかを順に見ていきます。

生理的欲求

まず人間が最も初めに求めるものは、生理的欲求です。

生理的欲求とは、生命の維持に関わる最も根源的な欲求で、例としては食欲・睡眠欲・性欲といった三大欲求が当てはまります。

生理的欲求が満たされないと、生きていくことができないため、最も低次な欲求とみなすことができ、欠けている場合は最優先で求められます。

人は生理的欲求が満たされると、高次の安全の欲求を求めるようになります。

安全の欲求

安全の欲求とは、健康や経済的安定、危険のない暮らしなど、安全に生きるために必要な欲求です。

高い所や暗い所に行くと恐怖を覚え、そこから離れたくなるような場合、安全の欲求が働いていると言えます。

マズローによると、安全の欲求も生理的欲求と同程度に強いものだとされています。

安全の欲求が満たされると、人は社会的欲求を覚えるようになります。

社会的欲求

社会的欲求とは、所属の欲求や愛の欲求とも呼ばれ、自分が社会や他者に受け入れられることを望む欲求です。

学校のクラスや会社で孤立することを恐れたり、恋人を欲しがったりするのは、社会的欲求に当てはまります。

生理的欲求や安全の欲求が満たされていても、孤独でいると精神的に満たされません。

人との繋がりという社会的欲求を満たした次は、承認の欲求に移ります。

承認の欲求

承認の欲求とは、自分が他者から価値がある人物だと認められ、尊重されることを望む欲求です。

会社に評価されるために成果を上げようと努力している人や、インスタグラムに自分が素晴らしい生活を送っていることを毎日載せている人を思い浮かべればわかりやすいです。

多くの人がこのレベルの欲求を満たすことができず、承認の欲求を渇望し続けます。

そして、承認の欲求が満たされた場合、人は自己実現の欲求を求めるようになります。

自己実現の欲求

自己実現の欲求とは、自分の持つ能力や力を最大限発揮したいという欲求です。

自己実現の欲求では、他者に認められるかどうかは重要でなく、どれだけ自分の能力を昇華できたかが重要です。

自己実現の欲求の現れ方は人それぞれですが、音楽や美術といった芸術活動を愛したり、学問を究めようとしたりする姿が例として挙げられます。


こうした5つの欲求はほとんどの人にとって階層型になっており、順番に出現しますが、欲求が異なる順番で現れる人もいます。

日々の生活にストレスと感じているという方は、マズローの欲求階層説に則って自分の気持ちを分析してみるといいかもしれません。

日常会話での使用方法

「ご飯を食べてる間が一番幸せだな~。もぐもぐ」

「こいつは最も低次の欲求に甘んじてるな・・・」



本サイトで紹介している用語一覧は以下です。



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