ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
煉獄とは
煉獄とは、キリスト教におけるカトリックの教義の一つで、人が死後に天国に行く前に、苦罰によって罪を清められる場所を指します。
人は死ぬと、その魂は肉体を離れ、永遠に生き続けます。
人の魂は、神による最後の審判を受けて天国が地獄に行くことになります。
無論、良い行いをした人は天国に行き、悪い行いをした人は地獄に行きます。
しかし、すぐに天国に行けるほど生前に悪い行いを全くしたことのない人は滅多にいませんし、地獄に行くほど悪い行いばかりしていたという人も多くありません。
そうした天国にも地獄にも行かないような多くの中間的な人が行く場所が煉獄です。
煉獄では「清めの火」と呼ばれる炎によって体が清められます。
そして、全ての罪を清め終わった後、人の魂はようやく永遠の幸福に満ちた天国に行くことができるのです。
煉獄という考えは、カトリック教会によるもので、カトリックから分裂したプロテスタントやギリシア正教は煉獄の存在を認めていません。
キリスト教は許しの宗教?
キリスト教は許しの宗教とも呼ばれますが、煉獄という概念もそうした考え方の表れだと言えます。
少し罪を犯したぐらいですぐに地獄行きとなる訳ではなく、煉獄で身を清めれば天国に行く猶予があるというのは、ある意味優しいです。
キリスト教が許しの宗教であるという象徴的なエピソードがあります。
聖書の中に、罪を犯した女性が石打ちによる死刑になってしまうというシーンがあります。
そこを通りかかったイエスは「あなたたちの中で罪を犯したことのない者がこの女に、まず石を投げなさい」と言います。
当然、人生の中で一度も悪いことをしたことの無い人などいるはずもありません。
すると、その場から一人ずつ離れて行ってしまい、誰も女性に対して石を投げることはできませんでした。
ネットリンチは今すぐ止めるべき
SNSには不適切な画像や映像を公開した一般人の実名や住所を特定し、正義ぶって批判をしている人がよくいますが、そうした行為はすぐにでも止めるべきです。
悪い行為をした人を裁くのは法律であるべきです。
法律に則らない罰はただの私刑に過ぎません。
そうした私刑を行う権利は誰にもありません。
うっかりネット上で人に石を投げそうになってしまった時は、許しの宗教であるキリスト教や煉獄の考え方を思い出してみると良いでしょう。
日常会話での使用方法
「10円落ちてる! ネコババしちゃお」
「そんなことしたら煉獄行きだぞ!」
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