「今日は疲れたな」が「今日は圧倒的成長したな」に変わる。そんな文章変換アプリ「意識爆上げ君」を、社会人1年目に大学時代の友人と作りました。Google PlayとApp Storeに公開し、広告で得た収益は約300円。金額は小さいですが、勉強したプログラミングで作品を完成させ、誰かに使ってもらうところまで進めた経験でした。
目次
プログラミングを学ぶために、作る目標を決めた
私は新卒でIT系のコンサルティング会社に入りました。入社したばかりの頃、プログラミングの知識はほとんどありませんでした。会社の研修で基礎に触れたものの、期間は短く、もっと詳しく学びたいと思っていました。
そこで考えたのが、勉強だけを続けるより、何か一つ作ってみることです。大学時代の友人を誘い、二人でスマートフォンのアプリを作り始めました。何を学ぶかに加えて、「学んだことで何が動けばうれしいか」を決めたわけです。
目標があると、知らないことも具体的になります。画面に文章を入力したい、ボタンを押して処理を動かしたい、結果を表示したい。文法を順番に覚えるだけでは見えなかった、作りたいものに必要な知識が見えてきました。
意識爆上げ君は、文章を大げさな言い回しに変えるアプリ
作ったのは、入力した文章の中の言葉を、いわゆる「意識が高い」言い回しへ変換するアプリです。文章を入力し、変換ボタンを押すと、結果がもう一つの欄に表示されます。

例えば、次のような変換です。
| 入力した文章 | 変換した文章 |
|---|---|
| 今日は疲れたな | 今日は圧倒的成長したな |
| 水飲みたい | クリスタルガイザー飲みたい |
内容を正確に言い換える翻訳アプリではありません。普通の言葉が妙に大げさになる、そのずれを楽しむジョークアプリです。疲れたことが成長に変換されても、現実の疲れまで消えるわけではありません。
宣伝欄には「ビジネスメールの作成時に最適!」と書いていましたが、本当に仕事の連絡へそのまま使うのはおすすめしません。言葉の雰囲気が変わる面白さを、気軽に眺めるための作品です。
変換の中心は、Excelで作った言葉の対応表
仕組みはシンプルです。変換前の言葉と変換後の言葉をExcelの表にまとめ、アプリに取り込みました。変換ボタンを押すと、入力された文章の中に対応する言葉があるかを調べ、見つかったものを置き換えます。

表を見ると、「人工知能」は「AI」、「すぐ」「なるべく早く」「なるはや」は「ASAP」といった対応になっています。同じ意味でも書き方が複数あるので、変換元を増やすと、置き換えられる文章も増えます。
このアプリの面白さは、複雑な文章理解より、どんな言葉をどんな言葉へ変えるかという辞書の内容にありました。単純な処理でも、入れるデータによって作品の雰囲気が変わります。
長い文章に使うと、変化がよく見える

長めの文章なら、複数の変換が一度に見えます。「文章」が「センテンス」、「入力」が「インプット」と変わると、内容は似ているのに、ずいぶん違う調子になります。
今、同じ仕組みを作るなら、言葉が重なる場合のルールも決めたいところです。例えば「入力」と「入力する」の両方を辞書に入れた場合、どちらを先に変換するかで結果が変わる可能性があります。変換後の言葉を再び変換するのか、一度だけ処理するのかも、作品のルールになります。
こうした確認は、大きな機能を足す前でもできます。短文、長文、変換する言葉がない文、同じ言葉が何度も出る文を試すだけで、期待した動きと実際の動きの違いが見つけやすくなります。
当時はSwiftとJavaを学び、両方のストアへ公開した
私はiOS向けにSwift、Android向けにJavaを勉強し、XcodeとAndroid Studioで開発しました。二つの環境で画面や処理を作り、Google PlayとApp Storeへ公開するところまで進めました。
これは当時、私たちが選んだ作り方です。現在のAndroid開発ではKotlinも公式にサポートされていますし、複数の環境でコードを共有する方法もあります。iOS向けのSwiftを含め、作りたいものと学びたい技術から選ぶとよいでしょう。
最初から両方の端末に対応するか、一つの環境で小さく完成させるかも選択できます。全部を一度に覚えるより、入力、ボタン、結果表示という短い流れを動かす目標なら、できたことを実感しやすいと思います。
広告収益は約300円。それでも、最初の目的は達成できた
アプリは無料で公開し、広告で収益を得る形にしました。自分でTwitterに投稿し、ありがたいことに紹介してくれた方もいました。ただ、インストールは大きく伸びず、収益は約300円で終わりました。現在、このアプリの配信は終了しています。
金額だけを見れば大きな成果とは言えません。でも、最初の目的はプログラミングを学び、実際に作ったものを公開することでした。文章を入力して、ボタンで処理し、結果を画面に出す。さらに、ストアに載せて人に見てもらう。その一通りを経験できたことは、次の制作への足掛かりになりました。
広告を載せれば収益が増える、という単純な話でもありません。使う人にとっての面白さや、何度使いたくなるか、アプリを知るきっかけがあるかが関わります。例えばGoogle AdMobのような広告サービスを検討するときも、収益の仕組みと、広告が体験に与える影響は一緒に考えたいところです。
小さな作品を公開した経験が、次につながる
「意識爆上げ君」は、立派なサービスから始まった作品ではありません。短い文章を入れて笑える、そんな小さな仕組みから始まりました。完成したものがあると、人に説明でき、画面を見せられ、次に直したいことも具体的になります。
もう一つの制作体験は、友人とポケアナライザーを作って700円稼いだ話にまとめています。現在公開している作品はアプリ一覧から、ゲームの画面や遊び方は謎解きアプリの紹介から見られます。開発に興味がある方には、スマホゲームを公開するまでの流れも、次の一歩を考える材料になればうれしいです。
