フィルターバブル:人が得る情報は無意識に偏る?(知的な小話155)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

フィルターバブルとは

フィルターバブルとは、インターネットの検索アルゴリズムが、各ユーザーの欲する情報のみを提供することにより、ユーザーにとって都合の良い情報ばかりが集まってくるという状況を指します。

アメリカの活動家であるイーライ・パリサーが著書『フィルター・バブル』の中で命名し、世の中に広まりました。

不要な情報を遮断するフィルター機能のせいで、まるで泡に包まれたかのように自分が見たい情報しか見えなくなってしまうことから、フィルターバブルの名が付いています。

フィルターバブルの中に入ると、自分にとって心地よい情報のみが集まってきますが、新しいアイデアや反対意見が見えなくなってしまうため、注意が必要です。

フィルターバブルの具体例

GoogleやFaceBookなどの検索サイトは、検索結果や広告表示などを各ユーザーに合わせて最適化しています。

多くの検索サイトは、検索履歴や購買情報などからユーザーの年齢や性別を取得し、その人が最も必要であろう情報を推測するアルゴリズムを標準装備しており、それぞれのユーザーに合ったベストな情報を提供することでユーザーの満足度の向上を図っています。

例えば、同じ「夏 レジャー」という検索をした場合でも、以前に釣り具を購入したユーザーには海や川が検索結果に上位表示され、キャンプ用品を購入したユーザーには山がオススメされやすいでしょう。

また、広告の表示について、子供相手に転職サイトの広告を出しても無意味ですし、男性に向けてダイエット商品の広告を出すのも効果が薄いでしょう。

スマホ広告がピンポイントで自分の欲している情報を提供してきて驚いたという経験がある方も多いのではないでしょうか。

このように、検索サイトの最適化の結果、各ユーザーには自分の必要な情報、欲しい情報しか集まってこなくなります。

フィルターバブルは便利な反面、価値観の異なる情報を排除し、自分の嗜好や視野を狭める原因となりうるので、注意が必要です。

人は自分にとって都合の良い情報ばかり集めたがると言う点で、確証バイアスの一種と言えます。

日常会話での使用方法

「俺のスマホ、エロ漫画の広告ばっかり出してくるな」

「フィルターバブルじゃん」



本サイトで紹介している用語一覧は以下です。



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