ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
コロンブスの卵とは
コロンブスの卵とは、簡単そうに見えることでも、最初にやるのは難しいということを示す、イタリアの探検家であるクリストファー・コロンブスの逸話です。
1492年にコロンブスは、サンタマリア号に乗ってスペインから出発し、アメリカ大陸の発見という偉業を成し遂げました。
新大陸の発見を祝うパーティが開かれ、コロンブスは盛大に祝われましたが、中には「船で西に進んだだけだから誰にでもできる」と言って批判する人もいました。
そうした相手に向かってコロンブスは「このゆで卵を机に立てることはできますか」と尋ねます。
相手の男はあれこれ試行錯誤して卵を立てようとしますが、なかなか上手くいきません。
するとコロンブスは、得意げな顔でゆで卵の殻の底を少し潰し、そのくぼみを使って卵を机に立たせます。
それを見た男は「なんだ、そんなことなら誰だってできるじゃないか」と言います。
しかし、コロンブスが「その通り。簡単にできることでも最初にやろうとすると、ひらめきと勇気が必要であり、私の新大陸発見も同じことなのです」と反論すると、男は何も言い返せなくなってしまいました。
こうした逸話から、画期的な発見や発想の転換が難しいことを指して、コロンブスの卵と呼ぶようになりました。
似たような言葉としては、結果が明らかになった後からなら事前に予測が可能だったと考えてしまう後知恵バイアスがあります。
現代版コロンブスの卵って?
コロンブスは15世紀の人物ですが、現代においてもコロンブスの卵「的」な現象は色々なところで発生しています。
例えば仮想通貨で大儲けした投資家や、YouTuberとして成功したヒカキンやラファエルらを見て、「あんなのは運が良かっただけだ」「自分もやっておけばよかった」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、これはコロンブスの新大陸発見にいちゃもんを付けているおじさんと同じです。
仮想通貨の情報を早い段階で入手して未来の可能性に気付けたのは凄いことですし、まだ黎明期だったYouTubeに早期から参入していたYouTuberには間違いなく先見の明があります。
後になって振り返ってみると簡単そうに見えても、難しいことはたくさんあります。
後知恵バイアスに騙されず、正しく物事を評価するためにも、コロンブスの卵の教訓は頭の片隅に入れておいて損はないでしょう。
日常会話での使用方法
「ハライチの漫才なんて俺でも作れるわ」
「それはコロンブスの卵だよ」
本サイトで紹介している用語一覧は以下です。