ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
悪魔の証明
悪魔の証明とは「起きないこと」や「存在しないこと」を証明することは困難であることの比喩です。
悪魔が存在しないことを証明することは難しいことからこの名が付きました。
現代では、悪魔の存在を本気で信じている人は少ないですし、恐らく実在しないでしょう。
しかし、悪魔が存在しないことを証明しようとすると、非常に難しいです。
別の例を挙げると、「日本に野生のゴリラがいる」ということを証明するのは、日本の中で野生のゴリラを1頭見つけてくれば良いだけなので、簡単です。
しかし、「日本に野生のゴリラはいない」ということを証明するのは、日本全土をくまなく探し回り、1頭も野生のゴリラがいないことを示さなければならず、非常に困難です。
このように、「ない」ことを証明することの労力は、「ある」ことを証明することの労力よりも遥かに大きいことが多いです。
そのため、議論をする際の一般的なルールとして、何かが「ある」と主張したものがその証明を先にしなければならないという暗黙の了解が存在します。
例えば、裁判では、被告は「推定無罪」(=無罪であることを前提に裁判を進めること)とし、原告側が有罪である証拠を示さなくてはならない決まりとなっています。
悪魔の証明をクイズに応用
悪魔の照明はクイズ番組などでも利用でき、例えば「世界の中に『ン』で始まる名前の街があるか」という問題の答えは、その街を知らなくても「ある」となります。
なぜなら、答えが「ない」の場合、この問題を作成するためには世界中の全ての街の名前を調べ、「ン」で始まる街が存在しないことを証明しなければなりませんが、そんなことはほぼ不可能であるからです。
よって、この問題の作成者は「ン」で始まる街を知っていて、この問題を作ったのだろう、と推測できるのです。
ちなみに、チャドという国の首都が「ンジャメナ」であり、「ン」で始まる街は実在します。
日常会話での使用方法
「お前、カンニングしてないならカンニングしてない証拠を示せよ」
「先生、悪魔の証明は不可能ですよ・・・」
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