シャルパンティエ効果:1kgの鉄と1kgの綿はどちらが重い?(知的な小話143)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

シャルパンティエ効果とは

シャルパンティエ効果とは、フランスの医師であるオーグスチン・シャルパンティエが発表した、人は物理的に同じ重さでも、体積が小さいものの方が重く感じるという錯覚です。

後にこの仮説を検証した精神分析学者の名前をとって、シャルパンティエ・コゼレフの錯覚とも呼ばれます。

例えば、1kgの鉄アレイと1kgの綿を比べた場合、実際は同じ重さですが、綿の方が体積が大きくなるため軽く感じます。

実体験から何となく人間にはこうした錯覚があると感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

小さいものの方が何となく「ずっしり感」があります。

似たような現象として、同じ箱でも黒い箱は白い箱よりも約1.9倍重く感じるという錯覚も存在します。

引っ越し屋が利用している段ボールに白色が多いのも、こうした効果を考慮し、荷物を運ぶ作業を心理的に楽にする狙いがあります。

シャルパンティエ効果の応用

シャルパンティエ効果からわかるように、人間の感覚に対する印象は非常に曖昧です。

逆に言えば、表現や伝え方の違いだけで、相手が感じる印象を操作することができます。

例えば、商品のコピーライティングでよく使われる例として「レモン〇〇個分のビタミンC配合!」といった表記がされます。

単純に「△△mgのビタミンC」と書かれていても多いのか少ないのか直観的にわかりづらいですが、「レモン〇〇個分のビタミンC」と書かれていると、何となく凄そうな気がします。

同じ表記でも相手に与える印象は大きく異なるので、強い印象を与えるような伝え方をするに越したことはありません。

その他の例としては「東京ドーム57個分の広さの大学」「像が踏んでも壊れない時計」「100人乗っても壊れない倉庫」「1000年に1度の美少女」といった表現があります。

ただ内容を伝えるだけでなく、表現を工夫することで印象を変えることができるため、相手に強い印象を与えたい時は、シャルパンティエ効果を思い出してみると良いでしょう。

日常会話での使用方法

「ねえ、花子ちゃんって体重何キロなの?」

「うーん、リンゴ5個分!」



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