角度の数字がたくさん書かれた図形では、求めたい角をいきなり計算しようとすると迷いやすくなります。角度パズルの基本は、確実に分かる角を一つずつ増やし、三角形や一直線の関係でつなぐことです。
ここでは、三角形の内角、二等辺三角形、外角を使う例題を解きます。いずれもこの記事用の作例で、アプリの収録問題を紹介するものではありません。
目次
角の名前と、最初に使う三つの関係
∠ABCは、Bを頂点として、辺BAとBCに挟まれた角です。真ん中の文字が頂点になります。一つの頂点に何本も線が集まるときは、「Aの角」と省略せず、三文字で区別しましょう。
- 平面上の三角形の内角の和は180°
- 一直線を分ける隣り合う二つの角の和は180°
- 二等辺三角形では、等しい二辺に向かい合う二つの角が等しい
たとえばAB=ACなら、等しいのは∠ABCと∠BCAです。頂点Aの角まで同じになるとは限りません。また、一直線の関係を使う前には、三点が本当に同じ直線上にあるか確認します。
例題1 二等辺三角形の底角から外角へ
三角形ABCでAB=AC、∠BAC=44°です。辺BCをCの先まで延長し、その延長上に点Dを取ります。B・C・Dはこの順に一直線上にあります。∠ACDはいくつでしょう。

ヒントを見る
最初に求めるのは、三角形の内側にある∠ABCと∠BCAです。どちらも同じ大きさなので、残りの角度を二つに分けられます。
答えと解き方を見る
答えは112°です。二つの底角の和は180−44=136°。したがって、∠ABC=∠BCA=136÷2=68°です。
∠BCAと∠ACDを合わせると一直線の180°になるため、∠ACD=180−68=112°となります。44+68+68=180、68+112=180と、二つの関係で検算できます。
ここで∠ACDのように、一辺を延長してできる外側の角を三角形の外角と呼びます。この外角は、隣り合わない二つの内角の和にもなります。今回なら、44+68=112°です。
三角形の内角の和と外角の関係は、ユークリッド『原論』の第I巻 命題32、二等辺三角形の底角の性質は第I巻 命題5でも確認できます。
例題2 分かる三角形から、隣の三角形へ進む
三角形PQRで∠PQR=52°、∠PRQ=63°です。辺QR上(Q・Rを除く)に点Sを取り、線分PSを引くと、∠QPS=25°になりました。求める角は、三角形PSRにある∠PSRです。

答えを一手ずつ見る
- 大きな三角形PQRから、∠QPR=180−52−63=65°
- Pの角がPSで二つに分かれるので、∠SPR=65−25=40°
- 三角形PSRから、∠PSR=180−40−63=77°
別の道でも確かめられます。三角形PQSのSの角は180−52−25=103°です。Q・S・Rが一直線上にあるので、その隣の∠PSRは180−103=77°。どちらの道でも同じ答えになります。
外角の関係に気づけば、さらに短く解けます。∠PSRは三角形PQSの外角なので、52+25=77°です。この解き方には63°を使いません。問題に書かれた数字を、必ず全部使う必要はないのです。
練習問題 見た目の二等分に頼らず解こう
三角形ABCでAB=AC、∠BAC=36°です。辺BC上(B・Cを除く)に点Dを取り、線分ADを引くと、∠BAD=20°になりました。∠ADBはいくつでしょう。
練習問題の答えを見る
底角はそれぞれ(180−36)÷2=72°です。Dは辺BC上にあるので、∠ABDも72°。三角形ABDから、∠ADB=180−20−72=88°と分かります。
ADがAの角を二等分するという条件はありません。∠DACは36−20=16°で、20°とは異なります。隣の∠ADCは180−16−72=92°となり、88+92=180も確かめられます。
角度パズルで迷ったときの確認順
- 等しい辺、一直線、直角など、与えられた条件を図に書く
- 二つの角が分かる三角形を探し、残りを計算する
- 求めた角が、隣の三角形や外角に使えないか調べる
- 角の場所を取り違えていないか、三文字の名前で確認する
図を見た印象と、問題の条件は分けて考えましょう。線が中央に見えても二等分線とは限りませんし、直角に見えても90°とは限りません。「なぜその角になるか」を一行ずつ書くと、使った条件を後からたどれます。
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