サイレントマジョリティ:静かな大衆って誰のこと?(知的な小話135)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

サイレントマジョリティとは

サイレントマジョリティとは、アメリカのニクソン大統領が初めて使用した言葉で、積極的な発言はしないが、多数派を占める勢力のことです。

サイレントマジョリティ(silent majority)は静かな多数派という意味です。

1969年、アメリカはベトナム戦争の真っ最中でした。

ニクソン大統領は、平和な終戦を目指して、戦争を継続しようとしていましたが、一部の学生からは即時全面撤退を求めて反戦デモが行われました。

しかし、ニクソンは「一部の人がデモを行っているが、反戦運動を行っていないアメリカ国民の大多数はベトナムからの即時撤退を求めていない」とし、そうした大多数をサイレントマジョリティと呼びました。

そしてニクソンは、物言わぬ多数派がベトナム戦争に賛成しているとの考えの下、戦争を続行したのです。

ノイジーマイノリティとは

デモが行われると、一見すると大勢の人が主張をしているように思えますが、実はその主張を行っているのは騒がしい少数派だけなのかもしれません。

そうした声の大きい少数派をノイジーマイノリティと言います。

ノイジーマイノリティ(noisy minority)は騒がしい少数派という意味です。

ちょうどサイレントマジョリティと対になる概念です。

ノイジーマイノリティを相手にするな!?

ベトナム反戦運動のデモを行ったのは実は少数派だったのと同じように、世の中の人が批判をしているように思えても、実はノイジーマイノリティが騒ぎ立てているだけというのは、私たちの日常でもよくあります。

少し前に、二宮金次郎の銅像が歩きスマホを連想させるからという理由で、撤去すべきだと騒ぎになったことがありました。

このような批判を受け、銅像の撤去が検討されたそうですが、こんなくだらない意見は聞く必要がないでしょう。

大多数の人は二宮金次郎の銅像を見て「あ、自分も歩きスマホをしていいんだ」などと思いはしませんし、批判もしていません。

周囲のモノに文句を言いたいだけの少数派であるノイジーマイノリティが騒ぎ立てているだけに過ぎないのです。

「障害者」を「障がい者」と表記させたり、公務員が勤務時間中にコンビニに寄ると怒られたり、不倫報道に無関係な人が噛みついたりなど、世の中がどんどん生きづらくなっています。

無駄なことに騒ぎ立てている少数派の裏には、そのことについて何とも感じていないサイレントマジョリティが存在します。

ニクソン大統領がベトナム戦争を断行したように、時にはノイジーマイノリティの意見を無視する勇気も必要だと感じます。

日常会話での使用方法

「今回の選挙の投票率は50%を切ってたみたいだぜ」

「Yesでいいのか? サイレントマジョリティ!」



本サイトで紹介している用語一覧は以下です。



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