ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
セレンディピティとは
セレンディピティとは、『セレンディップの3人の王子』というペルシャの童話を元に生まれた、偶然の出来事による思いがけない発見や気付きを指す言葉です。
『セレンディップと3人の王子』では、3人の王子が優れた頭脳を元に、偶然起きた出来事から様々な発見をしていきます。
例えば「迷子のラクダ」という話の中では、道端にある草が左側だけ食べられていたことから、実際のラクダを見たわけでもないのに、迷子のラクダは右目が見えないということを推理します。(この推理は微妙な気もしますが…)
このように、何気ない出来事からでも、見ている人の知識や能力によっては、新たな気付きを得ることができます。
逆に言えば、ぼーっとして生きていると、本来ならできたはずの発見も見過ごしてしまうでしょう。
何でもないような日常でも、思考を巡らせて生活していると、何か新しい発見があるかもしれません。
日ごろから物事について考えていると、それについての情報が集まってくるというカラーバス効果も、セレンディピティと類似の概念です。
セレンディピティは、棚からぼたもち的な幸運というよりは、洞察によって自ら何かを見つけ出すという意味合いが強いです。
ポストイットはセレンディピティから生まれた?
貼っても簡単に剥がすことのできるポストイットは、セレンディピティによる発明として有名です。
ポストイットの開発者は、初めから一度貼った後に剥がしやすいメモ用紙を作ろうとしていたわけではありませんでした。
アメリカの化学メーカーである3Mはこれまでに無い強力な接着剤の研究を行っていました。
様々な試行錯誤を繰り替えす中で、たまたま非常に弱い接着剤ができてしまいます。
通常ならば、強力な接着剤を作る過程の失敗としてしか考えられない出来事ですが、研究員の1人が「弱い接着剤は本のしおりに応用できるのではないか」ということに気付きます。
その発想からポストイットが生まれ、現在は世界の100ヵ国以上で販売される、3M社を代表する商品となりました。
このように、何気ない出来事でも、見方次第で大きな発見に繋がることがあるのです。
日常会話での使用方法
「久々に部屋の掃除してたら、昔のへそくりを見つけたよ」
「セレンディピティじゃん」
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